2006年05月22日

代々木からリノベーション分譲マンション内観レポートと、昨今の分譲事情です。

実際物件は買い付けが入っていて、現在は売買広告は終了契約予定となっているお部屋です。
代々木近隣という事もあって、内観取材の機会がありましたから「昨今のリノベーション分譲はどんなものか」情報として紹介します。
何度かこのブログでお話していますが、RCマンションは内容が良ければ100年はコンディションを保ちます、管理組合の補修保全と建設当時の物量投入の内容によるのですが、元々分譲マンションを不動産資産としてみる場合、一戸建て住居とは見方を変えなければなりません。

新築分譲が昨今好調に売れていますが、その後100年は状態を保つかも知れないマンションのトータルの価値を考えるときに『新築である事』は特段の意味を持ちません。(実際古い時代の作品の方が、ゼネコンが社の名誉をかけて建造って時期にも重なるので、建築基準を数段上回る物量投入があった時代になります)
そもそも考えてみてください、

「売主が儲かる」んですから、

それは当然そこに利益が確保されているんであって、発売前にモデルルームだけの内見で完売なんて話には、本質的な疑問を感じます(実際新築完成前に売約済みになる物件がある事は事実ですから、新築をどうしても求めている方には、待った方がいいですとは言えませんが、そのリスクは十分考えた方がいいです)。
そもそもマンションの資産価値とは何でしょう?
日本の不動産が不動産と言われる所以のひとつに銀行の存在があります。日本の銀行は未だに信用で融資する(本来こうあるべきだと思いますが)と言うより「担保主義」です、どうしても資産価値で見る場合「それを担保にして幾らの融資が受けられるか」の基準で考えれば、その査定から逆算して「マンションの所有権」になりますが、実際マンションの土地部分の所有権となると、敷地に対して入居戸数の割合になるのですから「実質的な土地の所有権」は一戸建てに比べて非常に狭く、一戸建てに比べてその資産価値自体が不安定である事がわかります(タワー型なら葉書一枚分です)。
もうひとつ見方があります、固定資産税です。固定資産税はそのマンションの耐用年数から資産アリと認める年限に応じて課税される事になりますが、こちらの耐用年数は非木造住居の場合47年で(一般に課税額は木造土地付き一戸建ての方が安い)、その内容も「もっぱら上物の価値」となります。

つまり、上の構造物の内容に実質的資産価値がある。のであって、不動産というよりも「100年もつかもしれない車を買った」に近い資産だと考えてもいいのです。
実は売買を必ずしも資産価値で考えるのも間違いで、利用価値という観点や住居利用における維持コストから「価値を償却可能か」という利益率で考える見方も必要で、この場合には「むしろ所有権は損になる」場合もあり借地権の一戸建てが実はお勧めになったり、十分に詰めて考えないと失敗する事もありますから、最も手軽でノーリスクな住居が賃貸である事には間違いありません(資産運用益を実際単体で考えるなら、自宅購入まで不動産投資の資産運用として考えるのは適当では無いからです、資産運用単体なら各種金融商品で考えるほうがずっと選択肢は多いんですから)。

さて、100年もつかもしれない車(税務当局の考える資産査定なら47年の耐用年数)の「どこの時代を所有するのか?」これは、「その建造物を住居として何年使用するつもりなのか」に繋がります。単純に考えれば30代で購入して100年使う事は寿命から考えられませんし、相続を前提にするなら固定資産税だけでなく相続税の事も考えなければならないでしょう、
一世代の入居年数を単体で考えるなら、昨今の高齢者時代の福祉として将来内容のいい行政サービスが期待される可能性もありますから、確定的に考えられる入居期間は「概ね20年〜30年」が無難な線でしょう。
つまり新築を争って買う必然性はありません。
そして、「20年〜30年使用する」んですから短期的な転売価格に意味があるんでしょうか?(確かに中古マンションの価格から考えれば築浅が有利には違いありませんが、2年後3年後って賃貸じゃないんですから)
よーく考えてみて下さい(30年を超える住宅ローンもこれまた別問題なのもわかります)。
20年〜30年ってちょうど住宅ローンの期間ですよね、
つまり、考え方としては「銀行に所有権があり、自分は銀行から部屋を借りている」に近い状態です。しかもマンションの売買価格が30年後に幾らなのかにつていは不動産コンサルにも「未知数」です。

なので、「20年30年契約の賃貸で契約終了時に所有権が貰える極端に耐用年数の長い消費材」これが分譲マンションです。(ストックオプションみたいに考えてみてもいいかも知れません)
又話を戻して、車にたとえてみましょう、
試乗しないで買いますか?
それこそ2年後には中古車として転売するかもしれない車でさえ、開発用の車の「モックアップに乗って購入決める」なんて事は在り得ないでしょう。それが唯一在りえるのは「ブランドの信用」だけです、「フェラーリの限定車両」とか、「ロールスの有名な車両だ」とかになります。
しかし、マンションって施工主は表記されていても「下請けにほとんど丸投げ」のケースだって在り得る上に、車ほど有名ブランドが確立しているのでも無く、まだまだリスクのある商品である事に違いはありません(それこそブランドと言えば「広尾のガーデン」とか「ペアシティシリーズ」とかって話になります)。

そこに昨今の「リノベーション」って考え方が登場するのです。新築同様の内装は暮らし方にもよりますが、20年なら余裕でコンディションを保ちます(購入する時には不動産コンサルに共有部分や、建築時の基礎的内容、管理組合の修繕等の調査を依頼する事が必要です)、購入しているのは「室内の専有部分の部屋としての内容だ」と考えれば基本的な所有権の部分は安い方が得になります。
これ新築の資産価値の話と逆行するんですよ、
つまり、マンション自体の固定資産税の課税がその時終了していればよりコストは安い事になり(修繕積み立ては逆に増額されるでしょうから、何事もトータルで考えなければなりませんけど)、その期間に十分住居としての用途を消費(償却)したろうか?って話です。
こう考えると、最後の所有権は無価値でも十分にその価値を享受した事になるので、それは決して損ではありませんし、同時に相続税の心配も必要無い事になります。その時にまだ100年の利用価値の範囲内なら、相続された人がこれを又リノベーションすると、その価値は復活する事になり・・・

話をぐるーーっと元に戻しましょう(笑
一番大事な事はライフスタイルの選択と、その長期的な展望であって「分譲マンションを買う」事は安易に決められるものではありません(むしろ土地付き一戸建ての方が資産価値を考える部分では簡単だとも言えます)。
なので、ここは発想を逆転させて、利用価値という面から賃貸と同じように考えればいいのです。
「内見して気に入るだろうか」です、
これが一番シンプルですしね、
新築分譲のキャッチコピーを信用して、安易に購入するよりよっぽど購入リスクをヘッジできます(実際に建造後の建物としての内容を調査する事も可能になります)。

「自分でリノベーションを」って考え方もあるにはあるんですが、トータルでデザインを出せる力があるだろうかって心配があります(意匠デザイナーに依頼となると、その部分のコストをこれまた考えないといけません。工事費用だけで済むって話にはなりません、これ又有名デザイナーさんの意匠に関するコストは未知数ですし)。
■一般の方なら、リノベーション物件の完成品を内見して購入ってのが一番リーズナブルになるんです。
(retourは意匠デザイナーさんやデザイン事務所とコラボレーションしているので、素材になる中古マンションを紹介し同時にリノベーションを含めたパッケージにする事も可能ですが、その場合でも「改装のコンセプト」の部分はは予め決めてもらう事になるので、その自己責任部分に関してはノーリスクではありません。確かに「どっちが面白いのか」って言えば後者になりますからシングルの分譲や、ご夫婦だけの二人入居の分譲の時には後者の方が「お勧め」になります。)

非常ーーーに前置きが長くなりましたが、分譲をめぐる話はそれだけ慎重にって意味なんだとご理解くださいっ

物件概要です
JR・大江戸線代々木駅2分、渋谷区代々木1、用途地域:商業地域、土地権利:所有権、構造RC造14階建の11階、築年数:昭和53年5月、総戸数94戸、管理形態:自主管理(日勤)、管理費14,000円、修繕積立金10,100円、現況:空室、占有面積67u(20.26坪)2LDK、バルコニー8.25u、販売価格4,780万円(消費税含)

間取りはこんな感じ
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注目はリビングの広さです。それもキッチンと有機的に結び付いているのでここのデザインの内容が部屋のイメージを決める事になります。
設計上のポイントは、玄関寄りの寝室のクローゼットがリビング側に張り出すと同時に、リビングのデザイン上のアクセントを兼ねているところです。

そんなこんなで物件を見てみましょう。

外観はこんな感じ
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いかにも質実剛健、飾り気がありませんが、コンベンショナルな安心感があり低層レンガ張りの“今時”のマンションよりガチッとしています。

ロケーションは
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代々木知っている人ならすぐわかると思うんですが、小田急の踏み切りのあるとこです、つまり新宿駅も10分ぐらいで、高島屋や紀伊国屋はすぐ近くって事になります。JRの線路も近いですが、騒音に関しては全く問題ありませんでした(廊下の暗騒音の方が大きいぐらいです)。

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廊下部分は真っ白で清潔感があります、床材に使用されているのは人工大理石と思われますがメンテナンスの面でも一般的なフローリングと比べるとノーワックスで、デザインも悪くありません。この白がリビングと合わせたトータルデザインになります。


水回りは

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トイレも洗面もデザイン性の高いものが使用され、

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浴室はデザイナーズランクの高級パーツ仕様、広さ的にも十分な内容で、間取図を見ていただけるとわかると思うのですが、脱衣洗濯洗面部分の広さにも余裕があります。


先ず玄関寄りの寝室です
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ピクチャーレールの代わりに飾り壁が凹上に整形されているのが特徴で、麻系素材の壁材が張られていてカラーコーディネートもされています。間取り上から考えるとご家族なら子供部屋の可能性もあるお部屋なので、ゆっくり自室として寛げる内容と広さが確保されています。


ここがウォークイン部分
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目玉のリビングは
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真っ白なギャラリーのような内容で、打ちっぱなしのデザイナーズ系に見られる無機的な雰囲気ではありません。意外と暖かい感じがするのが特徴です。
やはりLDKが広さ感を感じさせるには12帖以上の広さが必要なのがわかります。

反対方向からウォークインの裏側造形とキッチンを見てみましょう
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ここもカラーコーディネートされているのがわかりますね、確かにウォークイン裏がデザイン上のアクセントとして効いています。
キッチン裏側もデザインの一部です

キッチンへの導線もデザインされていて
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システムキッチンは松下のモデル
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寝室と寝室からの景観

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これ当然入居がご夫婦だけで、リビングSOHO利用の場合には、こちらのお部屋を書斎にするのも良さそうです。クローゼットの扉はアクリルの半透明タイプなので、ちょっと広めに感じます。

いかがでしょうか、リノベーションマンション。この内容とこの立地で4,780万円になります(同棟の上階にもつい先日売りがあってほぼ同額で売約となっています)。デザインの内容とこのリビングが気に入ったらやはり買いでしょう。
とにかく、しっかりと内容を内見で確認できるのがいいですね、

さて、それとは別にマンションの建替え更新のお話ですが、これは又詳しくは別の機会になりますが「非常に難しい」とだけお話しておきます。
企画としては「入居戸数を増やして建替えし、増えた部屋を管理組合が売主となって分譲、その利益を還元する事で実質等価交換で新居に住み替え」となればバラ色なんですが、、建替えの間の仮の住居も必要ですしその時のマンションの相場にも関わります。そもそも住宅街の低層マンションですら今日、日照権のからみで“建築そのもの”に反対があり、果たして高層化による再建築が可能なのかもわかりませんし、結果的に再建築費用が高コストにでもなれば、入居者全十戸でこの費用を負担できる合意が果たして可能なのか等、これとても難しく、成功例はとても少ないのです(建替えの話題や、デベロッパー買い付けの噂だけで「その後何年も経過してしまい、保全補修の合意が難しくなってマンション自体がボロボロになってしまった」という事例もあります)それこそ、今後10年後ぐらいに新しい再開発モデルが登場するのではないかと思います。
東京の世帯数がどうなるのかとか(戸数的には今でも供給過剰ですし)、一人当たりの占有面積増とか(こうなると入居戸数を増やして建替えは現実性を欠く事になり、入居者数を下げてフロア面積を増やす事で部屋の内容を上げ高付加価値を付けて再販する方が現実的)、まだまだ未知数の部分が多いのです。
posted by iwahara at 08:27 | Comment(0) | TrackBack(2) | 売買や賃貸の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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