2015年11月01日

「新築分譲マンション」を考える補足です

※前回記事の補足という事でショートショートです

正規の業者だけが閲覧できる国交省のDATAベースの事をREINS(レインズ)っていいます。
このREINSには「中古マンションの成約時過去情報」なども一部閲覧できるのです。
プライバシー保護がかかっているので、概略しか記載できませんが実際の取引の状況など調べてみると厳しい実情を知ることもあります。
ポイントとなるのは「中古マンションの価値保全性はあっても容易に現金化できない」ということです。単純な話利回り10%想定で10年売れなかっとしたら丸損なのです。賃貸のケースで考えれば「数年売れなかっとしたら」どれほどの金額になるか誰でも計算できますよね。
市場原理と言ってしまえばそれまでですが、不動産は基本一点もので同じ在庫があるものではありませんので、所謂経済学におけるゲームの論理のように数式化できません。
「偶然そのタイプの部屋をそこで探していたんですよ」な購入者の登場確率は総需要だけで担保できるものではありません。これに反して賃貸住宅である程度の市場原理が働くのは同一在庫じゃありませんが、1DKだとか2DKなどの類型で同一地域に他の空室もあり、総需要も大きいので”見かけ上そう見える”だけです。
(※賃貸の場合もユニークな一点もの系は「相場を離れる」傾向ありますから、中古売買の現金化率も推し計れるものでしょう。)

時に巷で流通している書籍などで「高値で売り抜け」みたいな成功本も多数あるでしょうけれど(実際にライターさんからそれらしい話も聞いた事ありますが)、これも構造矛盾です。そこそこ現金化が早くなるためには「流行のナントカ型」みたいな(わかりやすく言えばついこないだ完売して買い損なった人もいるような)築浅物件の早期売却事例になります。←てかそうじゃないと売れた値段の評価を素人が判断できません(長期保有の場合の貨幣高倍率というかインフレ・デフレ率なんて通常計算しません)。つまりこういった書籍の話って「投資向け購入でキャピタルゲイン稼いだ」って話なので、何の参考にもなりゃしません。

そもそも不動産の資産価値は現金化によるものでは無く”実価値”で考えるべきものです。
(この土地に暮らしたいと最も思っている最適需要者が所有者なんですから。)
さいしょっから現金化時有利な資産ではありません。
参考になるのが銀行担保価値になりますが、銀行の評価には別途様々なパラメーターが関係するので実価値からかなり離れるものになります。
単純な話、手持ちの中古マンションなどを売却したら幾らかって判断時に早期現金化を前提にしちゃうと、大手業者の「買い取り保障額」みたいな数字にしかなりません。
それは「相場評価の7掛け6掛けの数字」です。

実際にですね、REINSの過去DATA見ていると売主の希望価格2千万ぐらいの中古マンションが(よっぽど早期に現金化したかったのでしょうか)1600ぐらいに値下げ後、業者の指値1300万ぐらいで成約し(売買の場合指値やローン条項などで売却額が変動するとか珍しくありません)、投資向けで購入したこの業者が(推定ですが)600万ぐらいで改装して4000万で売り出すなんて実例をDATAを追いかけるなか偶然発見することもあります(これも内心3600になり後に指値3000でもいいと思っているのかもですが)。
■不動産って現金化には強くなく(なんらかの事情で資金が必要な場合は担保にして銀行融資で考えるべき)、『相続』を前提とするものなんです。
仮に所有世帯に相続人がいたとしても、サラリーマン世帯の場合「次の世代もこの立地が通勤有利」なんてどこにも保障ありません。『相続』を前提とする=家業があるとか大農家であるとか家制度が生活にリンクしている世帯じゃないとその利便性も未知数になります。→たいだいのケースが「改装して賃貸に出す」のが有力な選択肢になるでしょう。
(※この時にも相続税に困れば、早期売却しか手が無いケースもあり得ます。だとしたら最初から6掛け7掛けしか価値が無い事になってしまいます。)

■私が現代社会の棲み分け的発想として
「地方などローカル『共同幻想」健在なところは(これも相続人もきっとこの地域に住み続けるだろうみたいな物語がある場合)不動産の購入は合理的」
「都市生活のサラリーマン世帯は、無理に不動産購入では無く資産運用は現金化の容易な金融商品等の方がクレバーなのかもしれない」
 ↑
ここに繋がるんんです。地方なら『相続』やそれに類する可能性が高い。そして地方で一般的な「土地付き木造戸建て」であれば築年数的に相続時の税務評価が下がるので、高額な相続税の心配も少ない(土地付き戸建ての場合上物壊して更地にするもの容易→一点ものでは無く汎用性の高い更地は流通性が高いし市場原理も働きやすい)。
都市生活=核家族なんですし、この傾向は世帯構成的に東京は更に高いと思います。
(※勿論この場合、長期契約可能性や高齢になっても借り易い賃貸住宅の法的整備も必要ですけど。)


posted by iwahara at 15:10 | 売買や賃貸の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする





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