部屋は広ければ広いほどいいのでしょうか?
これは一概には言えないことです。時折u数でそれをカタログスペックの様に「これは却下」と図面段階でボツにするお客さんもいますが、プロ的には「間取りで随分と違う」ので、一概にそうとも言えないのです。
実際75uの部屋と52uの部屋と「3部屋の居室部分の広さは同じ」という事はあるのであって、これは一部屋だけの間取りでもあり得る話です。
その人のライフスタイルとして「キッチンが広くて意味があるか?」とか、「DK部分で過ごす時間はどれくらいか?」とか、「玄関からのエントランスが必要なのか?」とか「収納の奥行きが所謂“押入れ”と同じだけ必要か?」とか、「脱衣部分は必要か?」「独立洗面を使うのか?」・・・
全部合わせると相当のu数になります。
極端に言えば
「ダイニングでお湯しか沸かさない人の1DKのDK」
「エアコンは一台で、ストレート型なのに居室より広く寒いDK」
「フロアライフ中心で、畳の上にいる時間が大半なのに間取りはLDKだ」
「2DKの一部屋は衣裳部屋になっている」等々
いろんな要因を考えると、基本は6帖の居室(約10u)に後どのくらいの設備が必要なのかによって「広すぎて間延びしてしまう」事はあるのです。反対に「居室が6帖では狭い」のなら30uの1DKより25uのストゥディオ(所謂「ワンルーム」と定番で呼ばれる間取りではない1Rのスケルトンな部屋、「高級なワンルーム」の意味で使われる場合もあります)の方が快適です。
◆その時に(予算に余裕があるのに)「狭い=安い」部屋しかなかったら?
@現実問題、これを車にたとえるとき、車のスペックで重視されるのは「車内の広さ」だけの筈あり得ません。排気量やデザイン(よっぽど重視されますよね)、メーカー、操作感・・・
ですから「間取りに応じたライフスタイルがある」のです。
この自分自身の暮らしに応じた部屋のコンセプトが大事なのであって、単純に「部屋は広ければ広いほどいい」とは言えないのです。
@「極端に車内の広いスポーツカー」
これ、何か問題があります。
反対に築年数の古い物件で、予想以上に広い部屋が予算内であった時。
「居室8帖以上希望で広い部屋を探している時の、LDK部分が10帖(ここだけで、ストゥディオタイプの1Rに匹敵するのに)なのに(オマケの)居室が和室なので却下される部屋」
何かもったいない気がしませんか?
(奥の居室はベッドルームという「きまり」があるのじゃないのですから)
「1Rワンルーム・1Rストゥディオ・1DK・1K・1LDK・2DK」
上記の間取りは全て同じu数で可能で、居室は15帖〜4帖半までの幅になります。
◆予算ギリギリで部屋を探し過ぎていませんか?
「こういう部屋を探しているんだが、いったい賃料はいくらぐらいなのか?」(賃料の上限は伺わないと探せませんが、、)そんなところから入る方が自分なりの部屋を探せるのだと思います。
次回は「店舗などの事業物という選択肢&賃貸か売買か」についてです。