昨今の東京の賃貸へのニーズのひとつに「自分で改装できないか?」という希望条件が潜在的に増えています。
実際に私が仲介した物件でも(リフォーム前だったので)交渉して「一部リフォームを自分でする部分を残す」という契約をした経験があります。賃貸物件では非常に稀なケースで、借主自身による改装はほんとんど承諾が出ません。(出ても原状回復義務が生じます)
しかし、「内容によっては原状回復相談」の典型があります。
「事業物」です。
表参道の某ビルは昔外国人向け住居で、羽目殺しになっている棚の板を外すと、ピンクのシャワーバスタブが出てきます。現在このビルの需要は全室“事務所”なので「壁を抜こうが、壁をつくろうが、キッチンをシステムキッチンにしようが、システムキッチンを簡易ユニットに交換しようが」自由です。(用途が事務所なので改装の範囲に応じて原状回復もクリーニングだけだったりします)
店舗は「造作譲渡(後からつけた内装を、次の入居者に売る事が出来る)」なんてのがあったりして、一見大金が必要にも思いますが「ほとんど内部スケルトンで、住居付き」なんての物件があります。「住居付き店舗」です。当然内装は『相談可能』。
これらの事業物件でも「これ住居利用で借りれないか」は交渉可能です。(当然音響機器なんかのプロ機が民生品より高いのと同じで、事業物件は一般賃貸より賃料が高いです)
「倉庫」や「リフォームする意図の無い一戸建て」なんて物件もあります。ルームシェアなんかで、審査が厳しい場合でも事業物件なら(業種相談でも、入居者の審査は一般賃貸より厳しくないです)いろんな用途が相談できます。
間取り図ツアーには今ジワ〜っと事業物件が増えています。
ちょっと考えの隅にでも置いておくといいかもしれませんよ。
「友達3人で趣味で店舗を借りる」それも面白いでしょう。自分の店が持てるんですから。
似た部分が「売買物件」に言えます。
「買えば内装は自由なんですよ!」
現在の不動産は中古マンションが安いです、そして分譲マンションは築年数が経つと価格が下がります。どうしても不動産流通はu数単価であり、物件のパフォーマンスは価格に出ません。
ですから「改装すればモノになる部屋」は買い得なんです(転売はダメですよ、買った以上に安くなるだけです)自分で資産価値がゼロになるまで住むか、賃貸として貸して保有し続ければ相場の上下動を気にする心配はありません。
実際中古マンションを買って、賃貸に出してタイムラグ無しで入居者が決まれば確実に儲かる(内容のいい物件を購入して、きっちりと市場を考えたリフォームをし時の話ですが)のですから、自分が住んでいれば、得に決まっています。
◆ポイントは定住です。
自身の生活設計として「ここで暮らす」気持ちと資金があれば売買がお勧めです。
新築分譲が盛んですが、ここはあえて、ボロで安くて内容のいい築年数の古いマンションの購入を勧めます(何度も確認しますが、簡単に転売しない意思がある時ですよ)。自分自身のアイデアでリニューアルマンションを設計できます。
(これ、大手デベロッパーでもこの手法が目立ってきました)
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ここまでの一連の話で、逆に現在の賃貸の環境がわかっていただけたのじゃないかと思います。
築年数の古いマンションのリフォーム物件は、借りる方にも得なんです。それは中古マンションが安く出回っているため、オーナーは十分なリフォーム資金を準備できるからです。それでも収益が期待できるほど、築年数の古いマンションは『実際の利用価値より安い』んです。
前回お話した「築浅希望でいいのだろうか」って話を思い出してください。当然中古マンションの相場にもこれが現れているんです。値段は需要と供給で決まります「実際のその物件のパフォーマンス」が=値段ではありませんから。
◆繰り返しますが、転売などで儲けようと思っちゃダメですよ(大家として利回りを狙うのは「アリですアリ」)、相場に振り回されるだけです。
何度も説明しますが、物件それ自体の利用価値は暮らす人が決めるんですから、買ったあなたが気に入っていたらその価値は普遍です。
(売買に関してはretourの代表長尾がスペシャリストです、彼には多数の情報チャンネルがありますから長尾宛でメールいただければバッチリ対応します。又、本気でお店を始めようって問い合わせには『元クラブやcafeの開店プロデューサー』inaba隊員が担当しますから細かい部分の問い合わせも可能ですよ。)
次回は「最初に賃貸物件を探す人へ」賃貸物件契約までの流れです。