実際ついこの間千駄ヶ谷で管理費込み8万5千円の「どっから見ても事務所」ってお部屋が空室でしたが、それはそれは凄い部屋でした。
エナメル系のPタイル仕上げの床は「土足可」で、中銀カプセルみたいな収納が壁に造作されていて、内壁仕上げは防水塗料の『外壁仕上げ(凹凸のある洒落た奴)』なんてのがありました、当時内見したお客さんも「コンベンショナルなファミリー型」と、この「ナチュボーンデザイナーズ」と随分悩んだぐらいで(結局コンベンショナルな部屋で成約になったのですが)、洗濯機がどうとか、バルコニーがどうとか(ある意味ホテル風の造りなので、無粋なバルコニーなど最初から無いのです)そういうレベルをとっくに通り越した部屋でした。
「居住性とかそういう話なら帰ってくれ」と部屋が言い放っているようで、
東京にしなか無いだろうし、実際千駄ヶ谷にあるから絵になる部屋でした、20u越えで千駄ヶ谷8万5千円って言えば、中央線なら7万5千円ってとこですからね、コンセプト的には大手デザイナーも真っ青でしたから「これ所謂半端なデザイナーズなら12万越すね」と確信したものです。
そーんな代々木界隈となると、代々木本店の来店営業(やっぱ近隣の問合わせ多いですから)担当している長尾の情報網が一番です、
retourは仲介調査会社なので、そりゃ数見ています(笑
そんな「長尾レポート」から最近の傑作を二部屋紹介します。
「両物件ともに築年数表記無し」
■まず代々木駅近隣から『4万6千円のスパルタンな部屋』からですっ
当然渋谷区でも新宿原宿上原四谷に囲まれているこの地域では、一般賃貸の部屋でもかなりの数が事務所可です。
このお部屋も事務所寄りのお風呂なし物件なのですが、「暮らした方が面白さが倍」と感じました。
物件概要からいきましょう
JR・大江戸線代々木3分、渋谷区代々木1、RC4階建ての4階、15.3u1R、事務所可、賃貸保証会社加入義務あり(保証人をたてる場合賃料の0.5ヶ月、保証人なしの場合賃料の1ヶ月)、近所に銭湯アリ、賃料4万6千円(管2000円)、礼敷2/2
内見した長尾曰く「ちょっと傾いている(笑」との話、
流石に傾き感はわかりませんでしたが、外観からも「コチコチの要塞型マンション」である事がよくわかります。
どうですか、
ただカッコいいってなのと違います、
「村田的な創造性」に溢れています。アメリカ映画の新聞社のそれ風の雰囲気が独特で、どこもかしこも安っぽくありません、
とにかくなかなかない雰囲気で、部屋の中も大変綺麗だとの事、確かに事務所用途にぴったりなんですが、事務所で暮らしてしまう的な都会にしかない暮らしがある事は間違いないのです。
この“両耳”なんかいいんですよ。
■幡ヶ谷初台(甲州街道北側)の「歴史あるマンション」6万3千円
西新宿の再開発以来、随分と印象の変った地域です。
実は幡ヶ谷初台の北側っていうと、文明的には『西新宿』で、その昔は大久保ともそう変らない「新宿のダウンタウン」でした。今は都庁を中心にした西新宿の再開発の流れもあって、中野や大久保馬場とは違う新しい都心寄りの住宅街ってキャラになりつつあります。
商店街もあるので、私鉄沿線の街なんかより(幡ヶ谷初台は京王線というより『京王新線=都営新宿線』沿線で、大江戸丸の内の西新宿系の駅が同時に徒歩圏であるのが特徴です)よっぽど静かな街なのです。なにせ商業地域は“新宿”ですから。
歩こうと思えば、ここからも徒歩圏
都庁の裏はもう初台で、物件までは初台「不動通り商店街」を抜けていきます。
寂しいぐらい静かです(笑
常に西新宿の摩天楼が見える場所なのですが、駄菓子屋さんとかお米屋さんとか、かえって郊外の街では絶滅しているようなお店も健在で、賃貸住居が非常に多い地域なのです。
物件概要です
京王新線初台・幡ヶ谷8分、渋谷区本町5、耐火造(RC造だと思います)4階建ての2階、クーラー、ガスキッチン、お風呂バランス、20.3u1K、賃料6万3千円(雑2000円)、礼敷2/1
通常礼敷2/2を割り込むと、部屋の内容が心配なケースが多いのですが、このお部屋も長尾が内見で内容確認済み、たいへん綺麗なお部屋だとのこと、
新宿駅まで徒歩圏とまで言いませんが、近隣なのは確かで6万3千円ならお得です。間取りも体感上広く感じるタイプ「横向き6帖」ですから、そんんな点からも希少です。
で、外観は
素敵ですね〜
当時マンションっていうのが洒落たものだった事を十分感じさせてくれます。最近目立つ無機的なデザインではなく、ピースライクな柔らかさがあってとても好感が持てます。
エントランスは
「骨董品ものですよこりゃ」
u数や設備とかのスペックだけでなく、哲学って言えばいいのでしょうか。その物件が語りかける内容に暮らしがマッチするのこそ「自分の部屋探し」でしょう、馴染みがいいと細かい事は気にならないもので、個性的なお部屋っていうのが実は決まりやすいとは限らないのですが、それだけ「そこで暮らす人には」貴重な存在であるのも事実です。
今回紹介したお部屋は2物件ともに光る個性がありますね。
イメージしてください、
どちらの部屋も、TVドラマの設定なら「感じのいい奴が暮らしている部屋」って思いませんかせんか?
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