この春内見した物件の中から「これは凄い」というのがあったのですが、残念ながら取材NGのお部屋であったため、『住まいの心理学』コンテンツを真似て「こんな部屋があった方式」でのレポートとなります。
東急沿線の渋谷近郊駅の○○○と言えば、低層指定住宅街ですから周囲見渡しても「中高層マンションを探すのが難しい地域」のひとつです。
ぶっちゃけ古築木造APの安い和室2Kなんかに若い神奈川・渋谷系のお兄ちゃんがガラッパチに暮らすのがカッコいい街のひとつです。
(その代りに築浅RCマンションを意地でも探すとトンデモ無く賃料が高くなったり)
昨今はこの東急エリアの流通も一時ほどでは無いようで、地元業界的な状況も以前とは若干違ってきたのかなと思うところもありました。流石に業界内の話は大々的に書けないんですが、東急沿線の高止まりだった相場がそろそろ市場の実勢に合わせる方向に動き出した感はちょっとありますね。
(ちなみに個人的意見ですが街としての居住性も低層指定系の駅の方が遥かにメディアで人気の街として喧伝されている高層建築もあるよな某駅より上だと思います。)
そんな渋谷近郊の某駅に偶然「これは凄いでしょう」的な物件を発見しました。
実は調査依頼駅はもう少し郊外であり、且つ希望のタイプのお部屋でもなかったのですが「ダントツの広さ」からこのお部屋も参考資料で送付したところ内見候補となったのです。
(流石に希望のタイプ外の部屋でしたから残念な事に申込候補とはならなかったのですが)
(※上記間取りは著作権を考慮し簡素化し再現したものになりますので現況そのものを確実に再現したものではありません。)
資料見た瞬間「これは実際に現場で見る方が広いだろう」と思いました。
更に間取りが秀逸で、古築ならではの玄関通路側にも窓がありベランダの窓と対面になっていたり、木製の柱が部屋の中心にあること、(映画なんかに登場するお洒落なリノベマンションの間取りモデルに近いということもあり)「こういう部屋は雰囲気いいんだよ」と期待も膨らんだのです。
【物件概要】も具体的な事は書けないので、ザックリとした内容ですが、
40平米近い2DKで築年数40年越えの鉄骨造で祐天寺10分前後の中目20分前後で、10万以下というスーパーハイCPなお部屋。
実際内見してみたところ、
駅からのルートも閑静な住宅街ですし部屋も3階で見出しもよく、予想外に玄関通路側も驚くほど明るくてですね、ドーンと広い12帖江戸間連結+板の間1帖の合計13帖(最近のマンション計測なら余裕の15帖クラス表示でしょう)、大開放感のあるお部屋で、キッチンは新品。
管理会社も堅く、内見は立会いでリフォームの内容や建築関係も詳しく説明ありまして、
これは凄いと(案内のお客さんより私の方が)驚いたというお部屋でした。
しみじみ思ったのは、確かにマンションの場合洋室間取りが床工法的にも標準だと思うんですが、候補的に鉄骨造でも有力なものがある場合なら(鉄骨造は高級木造AP的な建築なので)マンションでも和室造作の部屋アリアリだって事ですね。
この内見のお部屋も「西洋家具のリアルウッド系が実に似合いそうな空間」となっており、
下手なフローリングよりよっぽどカッコいい一面ありました。
(※マンション構造と間取りの相性ってあるんですよ。RC一点張りならそれは洋室マストでもOKなんですが鉄骨造も含む場合であれば和室をNGにするのは勿体ないと思います。)
個人的なこと言えば「東急沿線の王道は『池上線』論者」なもので、
渋谷近郊の沿線に関してはその選択に「○○希望なら○駅」的な細かい条件設定であるとか、乗降駅周囲の環境など事前の散歩の実践で確認してもらう方がいい部分が出てくるなど難しいところあると考えてます(やっぱりそれだけ相場が高いんで)、今回紹介のお部屋は「相場外のオンリーワン的存在」ですから一律に相場状況全体を語るのは間違いだと思うんですが、並行した調査時に「1LDK3点ユニット系でも10万台」を発見していたので、広い意味で言えば冒頭説明のとおり「状況に変化の兆しが見られる」のかなと思います。