直近のレポート「恒例の北海道にセカンドハウスはあり得るだろうか」も参照ください。
http://retour.seesaa.net/article/424718942.html
上記レポートから更に不動産投資に着目し、札幌の地元住民的な有力な利用駅の相場調査をしてみました。
地下鉄東西線(円山公園から琴似)とJR函館本線の隣り駅周辺(桑園など)を3000万以下で調べてみたところ、
「戸建てで1500〜2500万で余裕で購入可能」
「中古マンションだと2900万でも余裕の90平米ランク、最安は暖房のみ仕様セントラルヒーティングの1Rでも150万〜可能、60平米前後なら1500万前後」という水準にあります。
(今回は新札幌方面は調査してません。)
資産評価を精緻に行うのは地方の不動産の場合(底地価値が不安定で安価であるため)、非常に難しく表面上の利回りは「東京辺りでは腰抜かすほど高い(10%以上の利回りが余裕)」などなど手腕の高い知見が無いと運用は難しいのですが、資金的には「極論自己資金で誰でも可能な状況」とも言えるんですね。
果たしてそこをどう考えるのか。
資産価値評価の難しい不動産投資の王道は「10年目安に利益を確定させ」以降の運用と資産価値をオマケぐらいに考えるところにあります。
更に、前回レポートでも触れたように「地方といえどもマンションの修繕積み立てと管理費は東京と同じ」でなければなりませんが、価格に対して東京と同水準の積み立ては金額的に難しく(近隣の木造APの賃料と同額とかになってしまう)、雪害などで大規模修繕が発生した場合別途管理組合から修繕費用の請求もあり得ると考えます。逆算すると(東京と同水準の管理費・修繕積み立てで考えればよいことになりますから)→十分な修繕積み立てをやった場合近隣の木造APの賃料を超えかねないのですから、額面上の利回りがどこまで有効なのか疑問です。
(それだけマンション志向が気運として高いときだけの想定利回りになる。)
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■念のためもう一度書きますが、
マンションの場合ですが、売買の図面資料などに記載される「想定利回り」ここには潜在的に発生する可能性のある「修繕積立金の不足」が織り込まれておらず、実運用時の管理維持コストが未知数なんです(管理組合議決に依存する)。
更に価格が安い分、収益金額そのものも小額であるため「見込み収益と潜在的維持管理費コストの比率」において、不動産価格の安い地方になればなるほど維持管理費額が相対的に大きくなるんです。
不動産構造論としては「地方経済は底地と上物の資産評価比率」から考えて(目安としては底地の担保価値で上物の建築費用の融資が可能か)、圧倒的に「不動産価格の安い地方は”建蔽率・容積率の低い土地付き戸建て”中心であるべき」なんですが、、地方の場合「無尽蔵に郊外建売の開発」も偏在するために、どうしてもド・郊外の格安戸建て売り出しにストップがかからず、且つ自家用車の利用率が高いため都心部の戸建ての資産価値も正常化しない=容易に供給過剰になってしまう傾向があります。
本来あるべき底地評価も不安定なのです(中心部の土地評価も容易に分散してしまう)。
結果として、注文住宅を施工できる資産家以外は建売分譲などで常に上物の水準が低レベルになる傾向があり、「耐久消費財的傾向強くても、デベロッパーがファンドと提携や銀行融資などで資金調達して(この銀行が主に住宅ローン窓口となればノーリスクで”売逃げ”的に投資資金の回収ができる)建築したマンションの方が水準高く見える」場合も少なくありません。←この傾向が続く場合は見栄えの良さから地方のマンション需要が高まることも予想されますが、、、。
●結論、何を選んでも地方の場合その資産保全リスクが最大の鍵になるのです。
(=10年などの短期間で利益確定させる想定をするべき。)
但し、不動産投資で重要なのは「空室のリスクヘッジ」ですから、地方の方が少ない自己資金でも複数室の運用によるリスクヘッジが可能。
ちなみに一棟買いの価格を同地域で調べてみると(サンプルとても少ないんですが)、
3階建て鉄骨造で一棟買い3200万(総戸数不明)、築浅RC造1R8戸で6900万(1戸あたり約860万)などなど。
東京で2000万前後の2DKを素材買いして600万でリノベした場合と比較すると(1戸のコスト2600となり業者のリノベ転売なら3000〜の価格設定になるのかな)、遥かに地方不動産投資のハードルは低いです。
なかなか考えさせられるDATAであるのは事実です。