12月18日記事と重複になりますが、
>年明け一時的に開店の店舗はあっても「完全に各社出そろうのは15日以降」と考えるのがベターです。(年末に出た空室の募集開始的にも)
年明けの業界動向としておさらいしておきます。
タイミング的な部分は前回記事で説明したとおりなので(1月15日以降的な)、
<中期的相場環境も踏まえた状況から>
●投資向け中古マンションの値上がり傾向は確かである
「しかし、この中古マンションの価格変動は利回りの低下として表面化しており、賃料上昇には至っていない」
なかなか難しい部分ですが、
上記の状況が表しているのは、報道などでアパート投資サブリースの問題で知られるように、賃貸物件の実需要が増加している訳ではありませんから(空室率に変動は無い)、マイナス金利状況などもあって投資先として(他に有力な行き場が無く)不動産に集まっちゃっている感じです。
早晩、他の投資先に比べれば相対的に利回りが高いと判断されているだけで、
現在不動産投資が推奨される環境があるのでは”ありません”。
(利回りが低下しても価格が上昇傾向であることが評価されるような「それは違うでしょ」的な動機も含まれているかも知れませんが)
考えるまでも無く、債券投資などと違い不動産の場合は需要が増えない限り、賃料を下げて空室率を改善させようにも過当競争に巻き込まれるだけです。
悪く言えば「逆椅子取りゲーム的に誰かは必ず空室のまま利回りどころか収益が0になってしまう」特徴があるので、債券や株式感覚で投資購入された部屋の一部は(値崩れする前に)早々に転売される可能性もあると思います。
●やっかいなのが、個人が中古マンション購入などによる地道な大家さん業のようなものでは無く、開発業者によるサブリース投資商品的な開発に「ちょっと無理じゃないだろうか」な内容のものが増えているような感触があるんですよね。
業界の人って中堅管理会社の管理部でも「案外相場感覚はアバウト」な傾向ありまして、
当社のようにほぼ制限無く東京全域の調査を継続的に行っているケースは”ほとんど無い”ので、自社管理物件だけの空室状況だけで判断されている場合も少なく無いと思うのです。
実際に、管理会社判断が「安すぎたり、高過ぎたり」違和感感じるケース少なくありません。
(リノベ時の間取り判断も「想像以上のステレオタイプ」だったりします)
ここは前述の
↓ココ
悪く言えば「逆椅子取りゲーム的に誰かは必ず空室のまま利回りどころか収益が0になってしまう」特徴がある
↑
よく読んでみてください。
「この部屋しかないユニーク」が無い場合、上記の平均値の母数に飲まれてしまうんです。
確かに、奇想天外な部分もある個性的な部屋は求める人と出会うまで時間はかかるかもしれませんが、「その人にとってこの部屋しかない」フラグを持つことになりますから、
成約に至った時の契約期間の長期可能性も高い。
(これが本当の大家さんの経営判断におけるリスクを取るビジネス判断)
↑
こんな風に中長期的にゆっくりとした流動性の上昇の中で、木造APの間取り改変などにより東京全体の賃貸物件戸数が”床面積を上昇させることで”供給調整され、同時に個性化も進行していくのが健全なんですが、
はっきり言って現在の状況は、そうなっていない感が大なんですね。
●断言はできませんが、
2018度の前半は、中古マンション購入的にもお勧めとは言えず、
賃貸の住み替え的にも「状況落ち着くまで待ったほうがベター」かも知れません。
特に、郊外の木造アパート供給調整は更に深刻となる可能性もあり(賃料が将来的に大幅に下がるという意味ではありません→一棟売りなどを経て更地化する可能性もありどのように調整が進むのかまだわからないのです)、
まだなんとも読みきれない部分が多いかなと。
勿論、何時の時代も「個性的過ぎて相場母数に乗らない候補」は独自の個別相場で動いていますから、リノベなどにおける設計デザイン部分に才覚ある大家さんであれば状況に関係無く堅実な投資も可能に思いますが、それは誰にでもできることではありませんからね。
■賃貸の状況から言えば
所謂、築浅でユニバーサルな一般的条件の部屋を希望する独り暮らしビギナーな方にとっては厳しい環境になるかも知れません。
(ひょっとすると『春相場』賃料高い部屋しか候補が見つからないなどのケースが出てくるかも)
それを避ける方法ですが、
前述のように、少なくとも中古マンション購入による投資の場合(予め低利回りを織り込んでいるので)決して高い賃料の募集になりません。
ですから「築年数は拘らず」としておけば、候補が無いなどの状況にはならないでしょう。
この場合候補地も(中古マンションなどの母数を考え)無理に郊外遠方を考えず都心近郊も含めて検討する方がベターなケースもあると留意しておくべかなと思います。