ちょっとした解説レポートです。
分譲と賃貸の関係やら賃料設計の関係等わかりやすい感じにお伝えできるのではないかなと思います。
さて、紹介するのは麻布十番駅降りると誰の目にも止まったことあると思います。商店街の方じゃなくて桜田通りに通じる415号向かいの三田方面に並ぶ巨大マンションです。
一見公営団地風の佇まいなんですが、この立地(麻布十番徒歩1分)でファミリータイプが格安でとなる時の有力な候補となります。リノベーションによって1LDK化しているケースも多いので、シングル向けの中堅どころとしても機能しますからかなり幅広い層にマッチングします。
所謂分譲賃貸の形式
築年数は1958年なのでリノベーション賃貸が非常に多く(オリジナルの間取りの方がレアかもしれません)間取りの紹介は『ベースとなる間取り』編集しました。
こんな感じですね

平米数は45平米〜50平米ちょっと超えるのもあるんですがメインは47平米前後のちょっとユニークな3DKがベースです。
この当時から、ベランダ・バルコニーで洗濯物を干すという概念ではなくて事業ビルのようにベランダ・バルコニー”外”に窓があってベランダ・バルコニーに相当する空間は広めのサンルームとして独立した居室の一部となっている設計なのが特徴。
(なので3DKの表示でも実態は余裕のある2DK構造が主になります)
賃料は各社違っているんですが概ね「15万〜17万の間」といったところ、
麻布十番徒歩1分の1LDKリノベーションで15万となればかなりリーズナブルですから、非常に有力な候補にもなりますし、玄関ドア等にオリジナルの造作が残っているとこれが又レトロな風情でなかなか魅力的でもあります(リノベのポイントとしてこのレトロところとのバランスがあるでしょう)。
立地的に幹線道路の音を気にする方もいるかもなんですが、
なにせデカイマンションで、マンションそれ自体が巨大な遮音壁となっているので、室内バルコニー方向は驚くほど静かですから全く心配ないと考えていいです。
その外観が表すとおり『ツイン一の橋(連棟なのでツイン)』は東京都住宅供給公社による分譲で(その関係か管理費等も安い方)文化住宅から公団と至る公的分譲時代の物件になりますから、当時でもゴージャスな設計のマンションではありません。オリジナルの浴室はバランス釜ですし、コンクリートのシェルの中に木造和室が造作されている的なレトロマンションに属します。
その結果現在賃貸などで募集のある部屋はそのほとんどがなんらかの改装を経ていて、完全リノベーションのものも珍しくありません。
これだけの築年数ですから当然立替計画もあります
東京・港区議会建設委/老朽分譲マンションの建替支援を「採択」
「それだったら賃貸は定期借家契約では?」と考えても不思議じゃありませんが、上記リンクのニュースにあるように、実際建替決議があってもそれが具現化するまで相当期間かかるので一概にダイレクトに取り壊し決定を意味するものではないのです。
さて賃料設定と現在の中古売買価格がどんな関係にあるのかといえば、
「概ね利回り7%で計算されています」
ですから、売買価格は2千600万前後で推移していてその後の立替がどうなるのかはともかくそれまで賃貸で運営してと考える投資目的の購入も結構多いのでは無いかと思います。
ですから複数出ている賃貸のお部屋の状態も割と新しいリノベーションからオリジナル造作に近いものまで千差万別で、元が個性的な間取りでもあることから”定番の形”も存在しないので”希望に合った間取りがあれば”アタリと、こういった状況です。
先日の夏相場状況ですと5室〜の個別の募集が同時平行していていました(常に何室も募集とは考え難いですが何せ総戸数が多いのである程度の期間があれば空室補足は難しくないかもしれません:約200戸)。
つまり現在購入すると考えると、賃貸として運用するならば改装費用も回収できますが、購入して暮らすとなる今後の建替計画の推移が気になるところですからちょっと難しい。
ですから、賃貸で住むのが「売買各も安くなっている関係で賃料も安く、且つリノベーションの部屋も出ている」事からお得な選択となるって感じですね。
麻布十番で部屋を探す時には是非候補に入れてみたい物件です、
独特の個性があります。