仲介業務を中心に据えていますから(大家さんから管理を依頼されても、ハウスクリーニング屋さん、内装屋さん、入居者様との管理についてのやりとり。これも仲介・媒介に代わりありません。)、代理人として何ができるのか、と考える毎日です。
業界内の慣習も重要ですが、あくまでも利用者(大家さんも含めて)サイドに立って考えると、いろんな矛盾があります。大手のポータルサイトの物件検索も然りです、掲載が有料であったり、複数業者内で自社が掲載した物件に問い合わせをもらう(業界用語でいう『反響』です)ために何ができますか?掲載フォームもポータルが統一していますし、企業理念を表現する場もありません。利用者はただ「物件だけ」を求めて検索します。結果「問合せ先業者6社、その中で問い合わせ物件の空室確率50%、問い合わせによる返信数合計36物件」これは便利なのでしょうか?内見可能なのが週末に限られる時、その中で2社を選んだ時、残りの業者の内見は翌週です。早い物件が1週間持たないのは事実ですから、先週見た物件が残っている保障も無く、翌週にまわしているうちに希望の物件に「申し込みが入る」事もあります。
「退出届」は一般に退出の1ヵ月前ですから、二重家賃の発生を抑えるように最初に退出届を出した後の有効なお部屋探しの期間は二週間です、その二週間が上記のような事になったら?おちついてお部屋探しどころじゃありません。
一般にはあまり知られていませんが、大半の不動産物件は流通物としてどの業者でも扱えます(retourも何万件もの物件を紹介可能です)仲介不可の物件(大家さんとの媒介契約が違うため)だけが、管理不動産店舗直だけでしか取り扱えないのです。その物件が特に流通物件より優れているわけでもありません。(あくまで契約上の分類です)事実営業部門を持たない『純粋な管理会社・開発会社』がありますから、こういう会社の物件は、不動産仲介業者でしか取り扱えません(管理会社さんに営業店舗が無いためです)。
企業として営業サイドの考えから「営業範囲の限定」や、「自社物だけの紹介」「仲介不可物件の紹介」等の差が不動産屋さんを複数廻った時に感じる「違い」なのです。
retourは大手ポータルの何処にも物件掲載をしていません。
大手ポータルは「仲介業者が物件掲載をする時には、元付け(つまり大家さんと媒介契約を結んでいる管理不動産会社、乃至管理会社)」に広告(有料ですから)掲載許可を取る必要がります。この理由は無断掲載の目的が『目立つため』になることが多くなるからです(他の業者と問い合わせ『反響』をめぐる争いだからです)、つまり「条件のいい物件を成約済みであるか否かの確認も取らずに半年も掲載」する、などの問題が起きてしまうからです。元付けさんも自社の利益の問題ですから簡単に「掲載いいですよ」とは言いません。
誰のための何のサイトかわかりません。
大手ポータルは、広告掲載で不動産会社から広告費を取っていますから、サイトの信用度は大事ですが、関係無いといえば関係無いのです。
retourはインディペンデント系です。
自ら優良物件を探し、空室確認を取って掲載し、HPのサイトポリシーにも「掲載の古い物件は、空室は確約できません」と謳ってあります。基本的に一ヶ月で全物件を更新予定(時間の制約があり、完全には保証できない実情です)にしていてもです。「間取図ツアー」の呼び名の意味は、その後の最新DATA(業者だけが使用できるサイトがあるのです)から同様の物件を探す雛型にするためだからです、そして掲載はあくまでも元付けさんの物件を紹介すためで、自社物にすり代えるなどの意図は全くありません。間取を見てこそ「こんな部屋がいい」とのイマジネーションが湧いてくるじゃないですか(間取の掲載が遅れがちなのですが、、スイマセン)。延々と続く帯広告の情報で何がわかるのでしょう。
その先陣がBLOGです、周辺の環境を含めて「ここにこんな物件がある」「ここにこんな暮らしがある」BLOGの意味は、引越し前からの「引越しを巡る物語の情報提供」です。
今「広告掲載許可」といえば大手ポータルにおける広告を意味してしまいます。元付けさんにも利益以外で公開されると困る事情もありますので、プライヴァシー等の問題(個人情報を含む可能性のある売買物件は完全な「広告掲載許可」を取っています)や入居条件についての公開には配慮が必要です。
retourは掲載自主規制基準を持っています。問われているのは元付けさんにとってもより良き仲介であることだからです。
利用者さんサイドに立って掲載する事をとにかく第一に考えていますので(ほとんど報道における基準と同じです)「取材すべし」な時には社内で論議してGOを出します。
本来なら当たり前のことだと思うのですが、必ずしも今の不動産業界に、利用者サイドの視点があるとは言えないのです。
店舗にしても、もっと自由に「自分で部屋を探せる」そんな空間をなんとか用意できないか?retourは考えています、企業として必要な利潤は確保しなければなりませんが、膨大な広告費を使うために、接客を含むお客様(利用者)との時間を制限され、「早めの申し込みが必須な営業形態」は、健全では無いでしょう。
引越しまで期間がまだまだあるってお客様で「どんな部屋があるのか知りたい」ってニーズも多い筈です。どんな形で、どんな情報を発信し、どうコストに折り合いをつけていくのか。考える毎日です。
retourはこれまでの不動産業ではない業態を考えています。
『不動産cafe』のような気さくなお店が実現したら、いい気分でしょうねぇ〜
【retourについての最新記事】
>「ここにこんな暮らしがある」BLOGの意味は、
>引越し前からの「引越しを巡る物語の情報提供」です。
不動産業の大切にしなきゃいけないもっとも大事な部分ではないでしょうか。
「お客さまのために〜」とかいったらキレイ事になると思われがちですが、世の中に必要とされて「おっ!ここいいじゃん!」って思われてこそ利益も得られようってもんですよ。
不動産業でない業態、おもしろそうですねっ!
部屋にだって意思があるように思えます。
だって「なんかここがね〜」と思われて、暮らされるのと
「ニヤッ」と笑顔で暮らしてもらえるのと、どっちが嬉しいでしょう。
その部屋の存在意義みたいなものを「感じて」入居されてこそ、、利用者、仲介会社、元付け会社、大家さん、部屋にとっての「ピース」だと思います。