2012年05月07日

「部屋探しの確率」について

お正月なんかの場合もそうなんですが、GWなんて期間だからこそHPコンテンツやらのメンテナンス作業が入る事になります。
(普段は手が回らないですからね)
そんな中、『部屋探しの長期化の問題』ここ改めて見直してみたんですがHPにおける問い合わせの詳細説明では紙面の構成上書き足りない部分もあるので、補足しておこうかと思ったところです。

物件調査着手時の説明で頻度の高い事前説明事項は何かと聞かれれば、
その筆頭は『長期調査は有効か?』となります。
ゆっくり探している場合であるとか、引っ越し時期を明解に決めているのではないであるとかで、典型的なキーワードは「いい部屋があったら」という場合です。

※後段で詳しく説明しますが上記の「いい部屋があったら」という慣用句は縁談などにおける「いい人がいたら」と構造的に全く同じ状況を説明している事がポイントになります。
(「いい部屋がなかなかみつからない」と「なかなかいい人っていないものだ」も全く同じ論理構造です。)

■さて『部屋探し』の基礎から話を進めていきますと、
いきなり結論です、
本来引っ越しなんてね面倒くさいものなんですよ(笑
しかも余計なお金もかかる。やらんほうがいいワケです。
ですからキッカケ的に「もう仕方が無いな」的+αが無いとなかなか踏み切れません。
(事実引っ越し事例の圧倒的多数が「そろそろ更新時期だから」ですものね)

漠然と「もっといい部屋に引っ越ししたい」的動機であればやめた方がいいってのは事実だと思います。
(現実と夢は違いますから)

ここから考えられる事は『時期の設定』をどう考えるのかが最大のポイントです。
(後段に登場する「お見合いのジレンマ」で言えば「そろそろ年貢の納め時」が最大のキッカケになるように、)
『時期の設定』が特定されないとなかなか話がうまいこと進まないもので、大概こういう曖昧な要素が残る時は物件の出方も悪いんですよね。(不思議とそういうもので)運の悪さって実際にあります。

本来は「○○の時期に必ず引っ越しする」が決まっているのが『王道』なんです。
ですから構造的に『部屋探しが長期化する』って現象はその段階で既に流れが悪くなっているので、できれば避けたい状態になります。
(HPのコンテンツ的には数学的論旨を掲載しておりますが、ぶっちゃけ上記構図が基本的背景です。)

注)長期に構えてじっくり検討するべき段階は別にあるんです。
「街選び」や「通勤ルートの検討」「希望条件の設定」ですね。
特に「街選び」は土地勘が無い場所の場合実際に散歩で確認しておきたい。

■それでもイロイロな経緯で『部屋探しが長期化』する場合
HPにおける通学的確率論では
 ↓
実態は第245回宝くじを2枚買う方が、第245回と第246回宝くじを個別に2枚買うより当選確率が高い。決めるのは「ひとつの部屋」なので、そのタイミングに選択肢を最大化する事がベストな判断で、随意調査的な長期化は好ましくないという部分までは説明しているのですが、更に補足しますと、
 ↓
例えば5月に部屋探しをした結果どうしても候補の特定ができない場合→仕切り直しして「次回は6月」とするのがベターな判断です。
(前提条件としては当該調査が希望地域の空室全体の情報をほぼ全て捕捉検討した結果であること)
何故かと言えば送られてくる図面資料だけ見ているとわからないものですが、実際に選んでいる対象は『検索母数』に他なりません。
随意調査の形になってしまうと「母数が細切れに差分だけ」に限られてしまいますから「常に少数の限定的な空室だけを対象に賭け(選択)をする」形になります。
しかも常に未来の空室を予測する事はできないため、「見掛け上自分で持っている可能性が相対的に最小化」しちゃうんです。
これは「お見合いのジレンマ」と同じ構造です。

基本的な事ですが「同時に比較選択できるのは”その時”に空室の部屋だけ」となるため、「内見〜申込に至るような内容上位の部屋の平均空室期間は約2週〜3週」なので(しかも母数に対して上位平均1%〜5%が対象)、随意に細切れで見ちゃうとアタリ・ハズレの分散も大きくなるワケでそこで選ぶとなるとかなり高度な事前知識が必要になってきますから。
注)通常であれば「内容上位の部屋の平均空室期間は約2週」なのですが、昨今の不動産現況を加味して「約2週〜3週」の表現になっております。


■『長期化がアリアリなケース』
これは簡単です。
「○○町の○○マンション一点狙い」
「○○駅最寄で一戸建てがあれば即決め」
等、選択キャラクターが極端に鮮明な場合ですね。
この場合、仲介会社の継続調査も可能なスタイルになるので「後は待つだけ」です。
絶望的に発生頻度がヤバイ場合には作戦変更必要ですが(現実に存在するキャラクターじゃないと無理筋になりますから)、こういうスタンスの戦術の場合には長期化がアリです。
(言うならば作戦自体が「待ち伏せ式」ってことですね)
このスタイル自体「かなり上級者向け」ですし、後段でも振れますがこの戦術の場合希望賃料に余裕幅が無いと難しいので「やはり一般的では無い」と見るべきでしょう。

などなどの理由からベーシックには「部屋探しの長期化」は避けるべきであり、
部屋探しの第一条件に挙げてもいいぐらいなんです。
作戦的には前述の、
「5月に部屋探しをして結果が芳しくない場合→仕切り直しして次回は6月とするのがベター」
これに加えて、
「部屋探しをして結果が芳しくない場合→希望条件のいずれかを変更する」のが単純な解決策です(検索母数そのものが変化するので実質入れ替え同等の効果がある)。


※勿論これまで説明してきた流れであるとか以下の結論には『例外事項』がありまして、「それこそ縁」のような形のレアな確率の中で「スパッと決まる選択肢がオンリーワンで突然登場する可能性」も0ではありません。
しかしこの例外事項は、前段説明の「特定地域」や「固有の属性」や「特定棟指名」などの固有条件の発生と同じ意味であり、『希望条件の組み合わせ的に市場にそれが存在する事』が条件になりますから→少なくとも予め(希望条件の中でも最も基礎的部分である)”予算に潜在的余裕”があるなどのアドバンテージが無いと可能性は限りなく0であることに違いはありません。
(前段説明の典型的例外事項でも『優先フラグ』は賃料では無いとなるので以下と同様の傾向を示唆していると言えます。)
 ↓
逆算すると縁的偶然性の例外事項の発生条件は、通常の部屋探しにおける失敗の代表例「希望予算が上昇してしまった」を織り込む余裕がある場合となるので、これを一般的な成功例と考えるのは無理があります。

そんな事情を背景に、
部屋探しの長期化時によく聞かれる「なかなかいい部屋がみつからない」的感覚には一種のジレンマがありまして、そのまま「お見合いにおけるジレンマ」と共通の現象になります。
(決してベストの選択が無かった訳では無く実は長期化そのものが問題なる現象はバカにならないレベルで実際にあり得るんです。)


======================================================================

勿論心理的な要素もある訳ですが、
 ↓
ここから先の心理的な要素については番外編的内容なので『住まいの心理学』の方にアップしております。
(興味のある方はこちらへ)
「部屋探しの確率」心理的側面
http://kagewari-retour.seesaa.net/article/268914944.html


posted by iwahara at 20:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 部屋探しのポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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