今回は『住まいの心理学』的レポートになりますが、いよいよ猛暑が戻ってきたかなという状況なので「夏のエアコン室外機」について記載しておきます。
以降は確実に裏の取れている情報とは限りませんので、
・「基本、あくまで情報として」
・「実践は自己責任で」
上記二点を前提としますので、そこ理解いただいた上で読んでいただければと思います。
■エアコン室外機設置位置が直射日光にあたる場所などで高温になり過ぎると壊れやすい
(という話があります)
最新省エネ機種の”冬の暖房”の場合には、逆に外気温が寒すぎると省エネとは逆にかなり高コスト稼働になる(という話もあります)
話の確度的には技術的に後者の方が確度あるらしいのですが、どちらにしても「室外機を温度変化の大きな位置に設置するより、バルコニーの外壁影になる位置のが無難」という事になります。
一般的にはそのまま上記配置となるので問題無いと思うのですが、バルコニー外側が外壁型ではなく秀和のような鉄柵だけであるとか、木造APでこちらも鉄柵だけという場合も少なく無いかと思います。
※性能に関わる事ですから電気代に換算できる差異があるかもしれません。
東京の賃貸住宅のエアコンはほとんどが『デフォルトで設備』となっているので、壊れても修繕は家主さん持ちになりますが、猛暑真っ盛りで壊れて修理となるのも困りものです。
実際『対策グッズ』的なものを探してみると、
(※みなさん各人日常使用されている通販サイトで『サンシェード』or『室外機カバー』検索すると見つかる筈です。)
冬の外気温的部分は効果どうなのかわかりませんが、
上記のようなパーツを利用して、更に上から水撒きすれば有効性期待できると思います。
Amazonレビューでも(Amazon.co.jp販売の同機種)かなり信用性のある記載も散見されているので、価格も安いですし一考に値する部材に思います。
流石にこの辺の部材を入居前の設備でというのは耐用性・強度的に無理なので(契約上消耗品は入居者自主管理ですから)、ご自身で判断いただく代物になります。
■実行性のある話として
若干上記話と逸れるのかもしれませんが(随分前からここ説明しているところですが)、本来「日当たりのいい部屋」とは「部屋にモロ直鎖日光が入る部屋ではありません」。
南向き信仰もマンションなんかの場合だとぼとんど意味が無く(但し建築上風評を気にしてほとんどが南向きで建築されるので北向きの部屋がの基礎的条件で劣る場合もある)、本来南向きで意味があるのは「戸建ての庭と縁側の方位」で、
更に南向き論の趣旨の一部は「真南なら夏の南中(太陽が真上)日照確度が最も立つから」=「真上から日が差すので室内に日照が入らない」という趣旨で(冬はある程度日照入っても暖かいだろうという計算ですが紫外線が入る事は事実です)、真南向きの建築でもその意図は「室内に日照ジャジャ漏れ」ではありません。
高級マンションで知られる『分譲キラー』=ベランダバルコニーが深い=上階のベランダバルコニーが深いひさしになる構造です。
注:欧米の一部は(白人は紫外線に弱いですし高価なリアルウッド家具の保護も考え)南向きが捨て部屋で北向きがメインの場合もある。
ちなみに私個人は「東向きか、二面採光なら北東ベスト論者」であり、
これまで北向きでも「庭に日照さんさんの部屋」も知ってますし(北向きも南向きも東西に対しては同じ角度なので北西寄りの北向の午後は南向きの部屋レベルの日照がある)、東向きは太陽が昇る方角なので紫外線は入りますが朝の早い時間なので温度上昇しても極端では無いのでお勧めなんです。
注:前述のように「他の部屋を南向きで上位とした関係で北向きが割り食っている場合」これは違う意味で日当りの悪い暗い部屋になります。←これは例外。
窓の目の前が隣のビルなど「前方の空間が開けていなければ方位に関係無く室内は暗い」ですから。
『日当り』とはそのまま”当たり”なので、窓の外に日照が当たるかって意味です。
(広く言えば”窓から明るいところが見えるか”の意:北向き窓の前の”南向き”空間に日当りがあれば「日当たりのいい部屋」です。)
又、東向きの利点ですが生理学的に人間は体内時計を朝の日光でリセットしており、朝日で起きる習慣があると睡眠障害などになり難いので、健康面からも東向きには優位性あります。
(日照強すぎて遮光カーテンの利用となると上記点が損なわれる事になる。)
実際みなさんも「西向きはきつい」という話はご存じと思います。
南向きじゃなきゃダメ風評の影響で施工業者が無理やり建築士に設計変更迫る事も珍しく無いのです。南向きの本旨は『戸建ての庭と縁側』ですから=ひさしと・縁側・廊下・障子により、室内には直射日光が”入らないように”設計されるものです(物干し場など直射日光を当てたい場所には狙って当てている事がわかります)。海外で本格的に建築学んだ建築士にもなれば集合住宅のパティオ的空間などマンション建築で各人設計意匠もあるところなんですが、そんな関係で日本の建築は広告上の風評を気にして画一的になっている側面も無いじゃないんですよね。
(全ての建築士が猫も杓子も南向かなきゃいけないとは思ってない)
▲南向き西向き事例で実際にあった話ですが(事実上設計ミス)、
1.某高級戸建て(数億円級)、玄関付近を「天窓付の全面窓とした事例」で、庭を望めるサンルーム的意匠で設計されたのですが「温室真っ青な灼熱地獄」となり、電動サンシェードロールスクリーンを後つけ施工したという事例あります。
2.ルーフバルコニーのあるマンションの内見で「ルーフバルコニーに対して縦長間取り窓多数」の部屋でした。内見で入った瞬間「これは40度超している」のが誰にでもわかる状態であり、15秒でお客さんともども退避した事例があります。
(ペントハウスの場合三面採光の窓開放で空冷が効けば暑く無いです、天井の設計が安いと天井からの熱で半端ない温度になります。)
3.窓の外鉄柵だけタイプのマンション内見で「バルコニー西向き最上階」周囲との日照権的に斜めっている構造で(天井も斜めっている)、ひさしが全くない部屋。フローリングは明らかに激しい温度変化で劣化し”路面温度”が明らかに50度超え60度近くに達しており、素足では立っていられない状態(夏の砂浜的な)、「仮にこの部屋を検討される場合にはバルコニーの柵に”よしずかすだれ”の対策必須です、高性能遮光カーテンでも防げないと思います」解説した事があります。
(マンションのベランダバルコニーに水打ちが有効なのはデフォですが、流石に室内には水撒けないですからww)
4.事業物件事務所で、南西向き同方位で2室空室
前述の「前方が開けているかが全て」の典型事例です。ひとつの部屋は見晴らしがよく南西ですがヴィンテージで窓も腰高なので室内への日照も適度で大変内容が良かったですが、隣の隣の隣ぐらいの同方位並びの部屋は窓側が隣のビルに近く見晴らし無し「この部屋は最初に見た部屋と比べて温度が5度ほど低く感じられ薄ら寒いぐらいの部屋でした」。←これは設計ミスというよりは「隣のビルとこれだけ近ければ採光のある北側の外壁まで繋がる床面積の広い部屋として設計するべきだった」という事例。
総じて言える事は「建蔽率と経済性」なんですよ。。
昔の建築基準云々とは関係無く、許可される広さギリギリに造っちゃうところにそもそも問題があって、所謂密集賃貸住宅街的立地で廉価な学生APによくあるパターンで隣とピッタリみたいな状況の1階が”方位と関係無く”環境悪いのは誰でも想像つくところだと思います。
逆に分譲マンションの半地下的一階などによくある「専用テラス並の広くて深いドライエリア(これ防犯上も正しい→落ちるとどっか骨折するでしょう)」居住性や温度変化や日当たり条件的にも成功例が多く、いかに「バルコニー側からの見出し」が重要なのかがよくわかります。
<さて話は戻りますが>
■このように室外機の置かれる環境によっては(特にマンションは熱伝導率が高いので)室外機がトンデモな温度に達する事も想定されますから(室外機屋上設置タイプの場合業務用なんかだと別途冷却機能の施工があるようです)、今回の情報確度は”民間情報的”なものですが一利あると思います。
※強風で外れるなどの設置ミスには十分ご注意ください。
ちなみに建築家の方が設計する「パッシブ・エアコンレス設計注文住宅」なども窓が多いですが、この場合もひさしや敷地樹木などの配置により日照をコントロールした上での話です(断熱性能の高い設計であることは勿論ですが居住者が多数の窓を”自立的に運用”することにより室内温度を制御する)。都市部ではプライバシーと防犯性の点から事実上不可能なので「強制換気性能の高さと断熱性能」が代用案になりますが、梅雨のある日本の場合RC造で外断熱を導入する事はコンクリートの耐久性からリスクが高すぎるんです(RC造の中に事実上木造2×4のシェルみたいな造りには理論的には効果があるのは確かですが微妙でしょうね)、
やはり日本のマンション事情を考えると『エアコンの運用効率を高める』というのが現実的選択であると思います。
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2013年07月28日
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