中野区というのも面白い街でありまして、
「昔からの”暮らしいい庶民の街”である西部線界隈」「住居としては空白ぎみながら有力な飲み屋街のJR北側商業区画」「緩めの商店街が丸ノ内線まで続く南側区画」大きくわけてそんな3つのキャラクターがあります。
今回紹介するのは三つめの「緩めの商店街が丸ノ内線まで続く南側区画」の”隣り”となります。
何が”隣り”なのかと申しますと『丸ノ内線東高円寺〜南阿佐ヶ谷区間』は独自の文明圏を構成しておりまして、阿佐ヶ谷商店街直の南阿佐ヶ谷と高円寺商店街直の新高円寺があるものですから(以前紹介したように東高円寺も不思議とデザイナーズ系が多いなど個性も強い)青梅街道も相まって、暮らしやすいマンション地帯だったりします。←広い意味では荻窪由来の青梅街道文化と言えるかも、
紹介のお部屋は「中野通り西側となる東高円寺寄り」なんですね、駅近ながら雰囲気は違うんです。
さて、新中野駅からスタートです。
交差点振り返ると駅2番出口が見えます、
ここから交差点を「中野通り西側へ渡り」青梅街道をそのまま進みます
文京区ですかってぐらいマンション区画なのわかりますよね。
(※中高層建築許可のためには幹線道路との接道が必須なので区画整理が進んでないと母数としてマンション自体が建築できません。)
物件までは徒歩4なのであっという間に到着です。
決してビンテージマンションではありませんが、建築として道路から奥まったところに住居棟があり昭和的贅沢建築であるのがわかりますね。
一階テナントはスーパー三徳「これは便利です」、
外観も往年の建築でしっかりしてます。
募集のお部屋はこちら、
間取り的には、想像ずるに昔は玄関ホール付きの大型1DKだったのかしらと推察しますが(珍しい間取りではありますが以前レポートした三鷹台大型1DKなど過去事例あります)、現在はドーンと広い1Rストゥデイォとなる分譲賃貸マンションです。
時折触れている中堅シングル30u9万円シリーズより広くその分若干賃料も高いのですが、駅徒歩含めた利便性も大変高く、玄関ホール付き間取り設計はオートロックと相まって「横玄関を上回る高い個室性」を発揮しますから一見シンプルですが高いレベルの内容ですね。
(※光熱費的にもクレバーな設計になるんですよこれが、)
【物件概要】
JR中央線中野12分、丸ノ内線新中野4分、丸ノ内線東高円寺7分、中野区中央5、築S8年、SRC造8階建ての3階、33u1Rストゥディオ、
分譲賃貸、オートロック、エアコン、二口ガスキッチン、洗濯機置場室内、駐輪場、
賃料9万8千円(管理費5000円)、礼敷1/1、
なんといっても物件レポートでお伝えした1F食料品スーパーという部分が最強でしょう。
駅徒歩も近いので、中堅シングルで広めの部屋を探している方にはベストマッチ、
過去レポートで何回かお伝えしてますが、30u9万というパッケージは建築母数が少なくてですね『分譲キラー』などでも25u以上11万などとなるんですよ。そこと比較すると今回のお部屋はCP利便性ともに高いだけでなくその広さから「相当長期間暮らせる内容」持ってますから、8万5千円ランクを中途半端な期間で引っ越し続けるようなパターンと比較すれば内容の高さがわかるというものです。
仮に2年で解約などという「それは定期借家ですか」みたいな解約してしまいますと、8万5千円なら引っ越しコスト総額で賃料3ヵ月近くはいってしまいますから更新費を割り引いても2ヶ月、
つまり8.5×2=17万となり月額賃料に換算すると7千円。
単純に考えれば「後から短期解約などになるぐらいなら9万2千円の賃料で長期契約している方が楽だった」事になるだけでなく、勿論8万5千円の部屋より暮らしやすさも高いレベルになりますから。
(※そもそも論的に「2年で解約するなら定期借家同等」になりそれだけで占有特権価値を放棄する事になるので額面の更新特権を織り込む8万5千円の水準で暮らしてこなかった意味にもなるんです。)
今回はちょうどそのまんまの『分譲賃貸』となりので、少し「分譲か賃貸か」の話も交えて考えてみましょう。よく誤解を招くのが「賃貸住宅の賃料が高い」って話です、
金利評価で言えば日本の賃料はむしろ割安なんですよ(供給過剰だからです)、
たとえば賃料で10万の分譲賃貸なら中古購入価格を逆算すると、あくまでも推定ですが1千400万円〜1千600万円になります。そして新規賃貸するにあたってのリフォームが広さにもよりますが200万〜。
(勿論賃貸の場合入居のタイミングが新規リフォーム時とは限りませんがルーチンで管理されている状態であるのと、室内設備の保守は家主さんの費用負担ですからほぼ同等評価とします。)
平均して考えると『200万でレストアした1千500万のフェラーリを2年借切り強制更新権付き』な契約時、月のレンタル料を自分が貸主になったつもりで考えてみてください。更に言うと貸し続けている間にそのフェラーリの中古流通価値は使い古されて下がりますから、返却時の資産評価は未定条件で(1千万も残っていないかもしれない)です。
賃貸住宅というのは資産リスクが全くありませんから、そのお気楽さという部分も大変大な優位点で「所得に比較して無理な賃料の部屋に暮らさなければリーズナブルな事になるようになっている」んです。
雑誌や広告に振り回されず内容のいい部屋で長期契約している事が前提ですけどね。
(※単純な話で分譲購入が有利なのは「実需による供給不足から経済がインフレの場合」です。←高度経済成長期など。)
さて、話を今回の物件に戻しまして(笑
新中野駅の鍋谷横丁方向からJR中野駅へ歩いてみましょう。
(4番出口になります)
こちらが鍋谷横丁商店街
交差点から南は方南支線の中野富士見町、東は中野坂上方向へと延びる緩めの商店街です。
冒頭説明のとおりで、
中野通りの西か東かで街の雰囲気は大きく違います。東側区画は所謂昔からの庶民の街で絵的にもこんな感じ。
この雰囲気感はゆる〜く続く中野駅南側の商店街の雰囲気の流れにあると言えるでしょう。
馴染みのいい街並みが続いていきます。
中野通りはバスが数珠つなぎってのは本当で、絵の2台だけでなくこの時対向車線にも1台バスが走ってました。
中野五差路交差点から先がJR中野南口商店街
「そうえいば丸井本店が改装になったよね」ということで、ちょいと覗いてみました。
テナントには無印なんかも入っていて、かなり盛況のようです。
駅北側改装と相まって、かなり中野の雰囲気違ってきましたね。
ちなみに中野駅というと、遠路沿いの東側方向に(JR車庫のある方向)ちょっといい住宅街がありまして、そちらの雰囲気もなかなかいいとこですよ。
改装後の駅北口も再確認、
やはりこちらを解放したのは大成功でしたね。
そのまんまですが、人によってはダークサイドな雰囲気もあった北口が開放感により明るくなってます。
さて、物件から直でJR中野のルートは数珠つなぎのバス便もありますが、あるいても15分ほどなので丸ノ内線の終電が気になる方でも安心、遅い時にはJR中野駅からも余裕で歩けます。
2013年11月07日
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マルイ中野本店は有楽町イトシアのマルイに本店機能を移したんですよね?
新中野でしたら、1971年完成の「新中野マンション」お忘れではありませんか?
全館集中冷暖房を備えた所謂デラックスマンションには手が届かないが、全戸「個別セントラルヒーティング」の配管工事済みで、あとは購入者がガス給湯器とファンコイルのセット(シャホトー、日石、日立など)を設置すればセントラルヒーティングの温もりを得られるという触れ込みでしたよ
同様の設備を備えた高級マンションが当時ちらほら分譲されましたが、当時4Chステレオ及び同システムで録音されたレコード同様に長くは続かず…
再び「個別セントラルヒーティング」が注目されるのは1980年完成の「ペアシティ・ルネッサンス」なんですね…
但し、こちらの熱源は電気温水器ではありますが。
そういうこと(本店機能移転)だったんですね。
現在の丸井中野店や吉祥寺店はいずれも「テナントビル」に近い感じになってます。
retour&Reteurは取材可否に限界があるのでアレなんですが、物的に(セントラルとは知りませんでした)「新中野マンション」については一件取材可あるんですが、その部屋は間取りも内容と的にも近隣の「日興マンション」に負けている状況でして(retour&Retourは基本シングル向け優位にしてましてその取材可はファミリータイプなんですよ)、で日興マンションには取材公開可のお部屋がなくてですね、その日興マンションの場合ですとファミリータイプは内容強かったんですが(リノベ)シングル向きのお部屋の場合ですと、今回紹介のお部屋のが内容堅いんです。
(※ちなみに公開NGの「新中野マンション」のシングル向けのお部屋は今回紹介のお部屋と同等でした。また、現在募集中の「新中野マンション」2室はどちらも個別冷暖房になってます。昔セントラル可であった部分が現在どういう取扱いになっているかは不明ですね。)
中野駅より新中野駅へかけての特集どうもありがとうございました
ネットで「日興マンション」調べたんですが、「新中野マンション」のほうが格は上だと思います
話題は変わって…
昨年12月1日入居の
「くぼたビル」
南七条西2丁目2-2
1969年5月完成
設計者はフランク・ロイド・ライトの弟子で北海道ゆかりの建築家である田上義也
北側および東側のモザイクタイル張りの外観と風情(寺町)のある町並みに惹かれ入居しましたが…
共用部分は1969年にしては10年は時代遅れ
おまけに遮音性最悪
(5年前の春先に内覧した茗台ハイツ(小日向、茗荷谷駅至近)同様ペラペラのスカスカ)
隣戸の705号室と真下の606号室は騒音おばさん並み!日常的に陰湿的な嫌がらせを散々受け4月15日に引き払いました
事実なので実名を出したいところです!
隣室に関しては入居当日に管理人さん「705号室のおじさん(70代後半で野村克也そっくり)は他の入居者の事をアレコレ愚痴ばっかり言って来るもんだから厄介でホント困るよ!だから関わらないほうがいいよ!」
705号室と606号室は正に“腐れ◯道”
北海道だから横暴さがまかり通り、生き長らえていますが、これがもし都内だったならば行方不明になっている可能性が高いですね!
調べると私の居た部屋は入れ替わりが激しい事も判明しました
最初にマンスリー契約で9ヶ月余り住んだ南二条西26丁目「円山パークサイドマンション」1977年完成
今年の4月16日より9月13日まで住んだ南一条西25丁目の新築「サルーテ円山公園」これは異常なまでの結露とカビで金属以外の物は全てカビまして散々な目に遭いました
9月14日から南二十三条西9丁目「クリオ山鼻壱番館」に住んでおりますが、以上の四ヶ所共通で上下階と隣戸の音が筒抜けと言う事です!
響く建物の場合…
注意して生活するのが極普通当然の当たり前ですが、以上四ヶ所全て!
「響くんだから仕方ないだろう!いちいちそんなことに神経使ってられっか!」
(まるで自分だけが住んでいる感覚)
と開き直り、又はシラを切り、逆切れで深夜〜2時台であれ陰湿的な嫌がらせですよ!
「くぼたビル」のモザイクタイル張りですが、正しくは北側と西側
「クリオ山鼻壱番館」ではなく、正しくは「クリオ山鼻南壱番館」でした
1990年完成です
(取材可否の点から)
それはともかく、
遮音問題というか、隣室などの音問題はですね、
■日本の場合「構造的問題」と「メンタル問題」なんです。
(築浅分譲系の本気で遮音に著しい問題がある場合を除く)
何故って、マンションという呼称になってますが内容はご存じのとおりで「アパートメント」であり、ある意味呼称が「ジャンルを表さない」のが日本の建築の現状であるだけでなく、
断熱系の点からも「基本日本には非木造は限定的な内容になる」という致命的な要素ありますので(勿論非木造化の端緒は地震や火災や空襲などの歴史を踏まえて普及促進したものですが)、
▲本来文化的に「日本の建築は木造」であるべきだったんです。
(所謂大工さんの『共同幻想』化された常識の中にあるべき建築姿勢などが文化として定着していた。←そう注文しなくても一定の水準が約束されていた。)
更に昨今の新築・築浅系は耐震偽造事件にあったように、コストギリギリで建築する事が多く(理由はファンドによる建築からくる金利上の「工期短縮」が要素として大きいと思います)、これは論外として、
往年の建築に秀作があるのは「国威発揚」とまで言いませんが、当時の戦後大手ゼネコンにとってフラッグシップとも言える建築に対するコスト度外視の思いが特別だった事を抜きに語れません。
■結果、地方よりやはり都心の傾向はどうしてもあって(北海道で部屋を探されている話を聞いた時に「遮音性などのグレード無理というかデザイナーズなどで偶然遮音性が高い」などを期待した方がベターではないでしょうか話しましたが)、
もう基本アパートなんですよ。
↑
個体差はありこそすれ、前段説明のとおり「文化」であるとか「カテゴリーとして」それはアパートであると。
■昭和時代に車文化がまだまだ浸透していないころ、やたらと「GT」だとか「DOHC」とかの記号に傾斜したのと同じでありまして、
欧州におけるハイグレードな車両の文化は日本にはありませんから(階級社会ではありませんから)、あの当時も「ナンチャッテ」だったんですよね。
そんな模倣の中で「中堅グレード」というのを編み出したと申しましょうか。
マンションなどの建築にも似た部分あります。
極論「ペラペラなのは日本が欧州に比べて随分格差の少ない中流社会だったから」とも言えるワケでありまして(必ずしも欧州などの建築が階級制度に依存しているとは言いませんが)、
更に言えば欧州の栄華の背景には『植民地主義』もありますので褒められた話ばかりでは無い事も言うまでもありません。
なんと申しましょうか、日本のペラペラマンションにはそういう日本流と申しますか、平和みたいなものを背景にしている部分もあるんです。
↓
そこから各種の勘違いも横行してきちゃったと。
「過渡期」って奴です。
■やっかいなのはですね、
昔の長屋住まいであれば当たり前であった「お隣とのコミュニケーション」、
これをマンション住まいの方ほど心理的に忌避する形で入居されている場合が多いので、
=「隣室からのクレーム一発で紛争」になりがちなんですよ。
「注意される事の耐性がほとんど無い」という意味です。
隣りの部屋などに入居者が”直接”注意しにいくのは対処としてはバッドチョイスですよ。
(管理会社や管理人経由で考えても、”それでも”当事者随分揉めないように言葉選びますから。)
(むしろ隣室からの注意における耐性は木造アパート入居者のが上だと思います。)
■ですからある意味「分譲マンション」より「専属専任媒介の賃貸専用マンション」のが隣室の音関連は安心なんです。
個別の遮音性能の事では無く、専属専任媒介であれば管理上のスキームも事務方対応も事前に決まってますからね。
(※隣室の音問題が最大化するのは「買ってから気が付く場合」ですからね←これはほんと当事者の方大変だと思います。)
逮捕に及んだなんとかオバサン問題も被害者世帯は所有権のある戸建てにおける関係でしたから。
■特に、一度隣室の音などが気になると人間の脳は聴音上のイコライザーを変化させてしまうので「余計に聞こえる」ようになります。
(動物一般かと思いますが脳は関係無い音を脳内イコライザーでダウンさせる機能があります。)
通常は人の音声の1K〜3KHz帯に敏感になるように調整されているイコライザーが変わる訳ですよ。
(隣室の音として認知された帯域には、脳内イコライザーに更に聞こえるようになるフラグが立ってしまうので、うるさい音がそれ以降更にうるさくなるんです。)
↑
そしてこの現象は、
「一回注意したのに」というフラグがあれば更にストレスになります。
■話を昔ながらの木造モルタルアパートにして考えてみれば、
「両隣はおろか斜め上の端の部屋の音まで聞こえる」とか自然現象範囲内でもアリですから、
入居者全員にそれは聞こえてます。
ですが元から遮音を謳ってませんから、クレームにはなりません。
↑
ですからペット可不可ですとか、お子様NGですとか、小さいお子様世帯は1階限定などの管理ノウハウがうまれたワケでありまして、
「聞こえるものだ」が前提に。
■しかし前述のとおりで、
マンション選択している人は「遮音性も高い」と思い込んでいるので、元から「静かに暮らす意識も低いケースが多くなります」。
ところが、ご案内のとおりで日本のマンションは「ナンチャッテ型が主力」なので、別段遮音性ははなから高くありません。
同時に、入居者は前述の流れから「隣室からの注意などへの耐性が無い場合が多い」。
↑
遮音に関しては元々紛争含みなんです。
「構造的」にも「メンタル的」にも。
(私は分譲の「自主管理」方式にも疑問感じてます。)
■それもあってretour&Retourでは、特別『分譲賃貸』を上位グレード的に取り扱ってません。
往年のビンテージを頂点として、ひょっとすると『分譲キラー』を一般分譲賃貸の上位に捉えてます。
それ以外の賃貸は「マンションも木造APも同格」として考えてます。
(木造モルタルと2×4の違いは説明しますが)
仮に私が北海道で賃貸探すのであれば、
フラッグシップ的建築が母数として多いとはとても思えませんから。
最初から遮音性は期待しませんよ(笑
ひょっとすれば「裏狙いで商工区画の鉄骨造のワンフロア占有」のが遮音上の場合もあると思います。
てか隣室音に限れば「商工区画の鉄骨造ワンフロア占有、最上階(下は事務所で夜帰る)」が最強でしょう。
↑
■というか北海道の場合「最大の遮音は土地の安さを利した広さ」です。
(ペーペーの新卒社員とかでも余裕で1Lとか借りちゃう世界ですから。)