概ね各管理会社さん1月4日から営業開始していると思いますが、業界的に水曜日か日祝の公休多いですし月曜日は祝日ときていますから(更に年明け初日は新年会やるところもあるでしょうから)、逆算しますと1月の物件登録など各社通常業務で出揃うのは15日からじゃなかろうかと推定します。
(定休日祝系だと13日から)
そんな訳で、時期的にも賃貸住居レポートするにも少し早すぎる感もあるので今回は「事業物件はこんな感じ」みたいな番外編的レポートとします。
参考レポートになりますから現地取材も無し、興味ある方は概ねの位置も紹介しますのでgoogleマップなどでチェックいただければと思います。
いきなり【物件概要】の特徴から
「事業物件」の特徴として空室間も無い時期は「賃料相談」となり具体的な数字が表記されない場合があります。これは事業物件の特徴として借主サイドもビジネス判断から事前に「坪単価いくらの物件で」と明快な基準がある場合が少なくないので(ここ貸主側も同じ)、物件問い合わせの時にでも「まずどんなもんですか」みたいに聞いてくださいで、ある程度管理会社さんと話が通じちゃうんですよね。更に事業物件は業種の審査や設備関係の変更など交渉部分も多いため「全体含めて賃料相談」もあり得るって話です。
いかんせん、それでは物件調査もままならないところあるのでREINS公開時(行政指導で義務付けられている国交省DATAベースへの空室情報登録)には目安となる賃料を貸主側も決めなければなりません。
この辺の微妙なところは【事業物件の特性】のひとつとして「解約予告期間が長い=内見開始前からのアバウトな公募期間も長い」ってところが関係していると思います。まだまだ内見も始まらない段階ですと家主さんもさて次回の募集はどうするかって部分が未定だったり、解約予告は入っていても退去日未定だったりしますから「スケルトンにするにしても果たして入居日がいつから可能なのかも未定」となるからです。
ある意味、解約予告期間の募集は貸主側からの借主の想定も「プロの業者」となり、「賃料相談のまま募集開始でもいいでしょう」の判断があり得るとなります。
勿論賃料未定でREINS登録前となりますと、管理会社の直客が想定されている部分もあるでしょう。
(補足しますと、同管理会社の契約者などに業務拡大案内的に「今度この店舗が空室に」など”内輪内”で募集が行える。)
初めて店舗経営などを考えている方は今回紹介のような「プロ想定物件」は現実的ではありませんから(何をどのように交渉するも何も参考となる店舗過去運用事例が無い)、基本的に新規にお店を考えている方はREINS掲載の公募賃料が決まってからの物件がベースになります。
今回紹介するのは「そんなプロ向き情報」なのですが、
概ねこのタイプの資料の見方は近隣相場が参考となります。レポート中ではそこにも軽く触れつつ進めてみようと思います。
早速間取りと【物件概要】です
間取りからはスケール間ちょっと掴めないかと思います。
2,3階一括で約66平米という店舗なのでワンフロアは30u前後のコンパクトなビルのようです。
現在の募集状況ですと業種等の内容も相談の範囲で飲食可など特定の条件明示もありません。
【物件概要】
JR中央線四谷1分、新宿区四谷1、築S62RC造3階建ての2、3階、
2、3階一括66.33u(20.06坪)店舗、スケルトン渡し、
5年間(普通借家契約)、解約予告6ヶ月、しんみち通り至近、
礼敷1/6(償却1)
物件概要の内容的にスケルトンとなってますし軽飲食まで絶対NGって事は無いのではなかろうかと思いますが、ここは実際業態内容伝えて確認しないことにはなんともです。
(飲食にしては保証金が安いですから)
立地的には四ッ谷駅至近の新宿駅側昭和系飲食店街区画になりますね。
四谷の飲食店の特徴は「サラリーマン向けなので土日はほとんどお休み」だったりするところでしょうか。ちなみに四谷は地元不動産屋さんも土日お休みが多くて住居の内見日程などに困る事もあるぐらいなのです。
さて、近隣のREINS空室状況から店舗の平均相場をざっくり見ますと「坪単価2.5万〜3万」といったところですから、今回のお部屋も「賃料税込み50万〜相談(限りなく60万前後)」といった線ではなかろうかと思います。
スケルトン渡しの店舗の場合、なんといっても店舗内容費用が未知数になりますから新規に店舗開業を考えている方はブログサイドバーリンクのレリガーレなどデザイン事務所の意見も聞きつつ可否を考える事になります。デザイン事務所としても現物見ないとザックリした工事費用も出せない場合もありますから「まずこういう工事だといくらぐらいかかるのか」みたいな相談から開業資金の計画をあらかじめ立てておくべきでしょう。
(最近の店舗はほとんどが造作譲渡権もNGで「居抜き」などの募集はとても少ないですから、店舗内装スケルトンで想定するのが現実的です。)
ちなみに店舗の場合地域への広報期間的にも「開業後半年間はお客さん0でも営業継続可能な体力」が必要ですから、それなりの備え無しに開業ギリギリでのキックオフは危険です。
そもそも店舗開業のためお仕事を事前に辞められている場合ですと、ほぼ自動的に『保証会社利用』で話が進むでしょうから(賃貸住居と違い事業物件の場合は資本金の提示を残高証明提出する事で『保証会社』審査通貨します←勿論内容によりますが)、いずれにしろ十分な開店資金の準備は必要になります。つまり開業資金に比例して可能な店舗のサイズ(と単価)が具体的に逆算される形になります。
王道でもありますが、開業リスクを考えるのであれば「小さい店から」が基本です。
(最初から共同経営的な話を持ち込むのはほぼNGだと思ってください。賃貸住宅のルームシェアと同じで信用部分が人間関係に左右されるので審査的にはかなり弱い評価になり、新規開業だと「共同経営話」はほぼNGでしょう。管理会社としては「それなら分割して個別の名義で審査する方が安心」だからです。)
さて、店舗物件的には駅も近いですし飲食店街の中の店舗ということで「わかりやすい実力勝負」な内容の物件ではなかろうかと思います。
店舗の場合1階路面店マストな場合も少なくありませんが、1階はどーんと賃料も高くなりますからケース倍ケースですね。繁盛店になればしょうしょう賃料高くてもと考える事もできますが=いつ過労になるともわからないところもあります(飲食などの場合自身の過労を計算に入れていない場合も案外多いのです)。少し肩の力を抜くのであれば1階路面にこだわえらず考える方が選択肢も増えます。
■事業物件の資料をあれこれ見ていると「いかに賃貸住宅の募集が仕様も明快で安心か」わかりますね(笑
更に店舗経営の難しさというか資金を準備するのも大変な事です。
今回のお部屋は保証金6ヶ月ですが、飲食可保証金のベースは12ヶ月なので契約金初期費用も高額になります(しかも民法上仮に貸主が債務超過で倒産などしますとその保証金も飛びますから店舗経営のリスクってものはメンタル的にも相当の体力を必要とします)。
<次回からはいつもの賃貸住宅レポートを予定しています「春のシーズン前ですからシングル1R系」としましょうか。>
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2015年01月09日
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