『住まいの心理学』含めて各所で書いてきましたが、地方都市における不動産投資はどうなのか?
どうもこうも「どういう考え方をすれば腑に落ちるか」みたいな話です。
読者の方はご存じかと思いますが、retourは所謂巷で知られるような不動産投資や分譲購入に懐疑的であり、業態の特徴からくる広域広範に取得される賃貸運用情報から「考えてみる」の域を出ない話となりますのでご理解ください。
あくまでも記事の目的は”参考”です。
場所ですが(私の出身地でもあるので他選択肢は無いのですがww)
北海道札幌市です、
北海道の場合、人口の大半が札幌及びその近郊じゃないかと思うぐらい集中しているため、大都会には違いないのですが「へたに土地が広かったため」行政は後になってから道路などインフラコストに苦労しています。JR北海道の赤字も”広さ”に起因するものですが、集約が進んでいると思われている札幌市ですら無計画な郊外開発による都市拡散に悩んでいるというのが本音なのです。
つまり中心部からちょっと離れた程度でも底地評価が大きく変わり、
変動率も大きい(不動産として資産リスクが高い)。郊外の老朽化した分譲マンションなどは建替え資金や大規模修繕費用など「底地にどれだけの担保価値があるのか」不安になるとこもあり、
(故に郊外の高級マンションというのは概念としてあり得ないのであり、あったとすると存在そのものが”資産リスクのある建物”となります。)
安全策で行くなら「建物どうこう考える前にまず都市中心部に近いもの」が大前提となります。
そこで、
取材は札幌地下東西線大通公園駅から二駅の西18丁目駅という中心部から選択しました。
せっかくの北海道札幌市現地取材なので、地下鉄を使わず徒歩で向かいます。
物件概要説明までひたすら札幌市都市計画関係の話になります。
不動産はどうなった?と怪訝に思う方少なくないと思いますが、著名なアーキテクトな方は建築デザインだけでなく都市計画ごと設計します(過去の公団住宅も同じでしたね)。不動産価値評価と都市計画は不可分の関係にあり、いつもの賃貸住宅レポートの時にもしばしば登場する(都市計画の失敗で主要道の伸長ができずに行き止まり化した区画などで)”ここだけいいとこ化”などの状況などダイレクトに不動産価格に跳ね返りますから「都市計画の現況は重要な関連事項である」と捉えています。
話は戻って、
いきなり大通り公園まで南下せず(できるだけ信号回避するため)ジグザグに向かいます
駅前通りから
カクカクと曲がり
少しオフになっただけで
「広すぎる路地」状態となり(笑
(自治体が道路の保全に苦労するのわかりますよね)
さらに曲がると
札幌の地下が広範な地域に及んでいるのがわかります。
ぶっちゃけ、冬などは「地上を歩ているのは観光客だけなのでは?」と感じることもしばしば、
大通り公園(中心からちょっとオフなところ)に到着
広すぎる公園
(パート2末尾にも似た状況が登場しますが、利用密度というかインフラの公共性に対する費用対効果みたいな設計が完全に間違っているような、、)
こうドーンと
誰もいないみたいな(笑
この辺には地元住民的にも相当言い分があるようで
遊具を備えるなど有効利用できそうな施設は公園敷地の”極々一部”にしか存在しておらず、
事実そこだけは家族連れなどで賑わっているのです。
やはり都市計画含む設計に解決策があるのではないのかと、
大通公園の広すぎる問題にも別角度の解決策もあります(ここは後述)。
取材物件は公園南側(駅から離れた方)なので、
「そろそろ大通公園も終わりに近い」辺りで端に出ます。
するとですね
私、札幌の某高校通学時から思っていたことなのですが、
大通公園にも左右の車道に面する両端に側道のような”形式”はあるのですが、
あるのですが、所謂一般道における規格歩道にも満たない構造なのです(武蔵野・三鷹の水道道側道かと思う狭さで)。
これだけ公園敷地は広すぎるのに、
設計上、歩行者は側道を利用せず公園の中を歩く事になっており(降雪を考えると半端な幅員だと意味が無いって側面も大きいのだと思います)、側道は予備的域を出ない存在なんですね。
しかし、いよいよ公園も行き止まり終わりとなりますと、
微妙に規格報道水準に変化します。
思うのですが、
行楽シーズンであるとか、催しものがある時には公園内は混雑します。
札幌市的には、急いでいる人は公園外郭の区画を歩けばよいと考えているのかも知れませんが、いかんせん大通公園そのものが1区画であり(両端に信号2)、信号の都合によっては「一度渡って」なシーンは少なくありません(そのまま公園を横断に歩くと次の信号が青にならないタイミングになっている)。
なんだかんだと「大通公園んとこで時間かかるよね」な状況にあり、
地元的には「いやいや地価を歩けよ」って側面もあるんですが、
「だったら何のための公園インフラなのか(どれだけの金額が投資されているのか)」って思いますよね(笑
私見ですが「大通公園を少しスリムにして”側道の拡幅”を進めるべきだ」と思います。
更に大通り公園が終わると(大通公園両端の車道はそれぞれが一通になっている)、
双方通行の一般道に接続するため(一般道の一部車線は大量左折や右折車両をさばく必要が出てくる)、
公園側を振り返ると車道の幅が全然違うのがわかります
(そうしないと事故も起きやすいでしょうからね)
さて、ここの区切りがどういう意味になっているのかと言えば、
大通公園が東西に続く区画は公共建築から大企業の事業ビルなどが連なる中心街であり、
「ここから先は住宅街ですよ」みたいな切り分けとなります(用途地域の指定から明解に違う筈です)。
そんなこんなで文京区さながらのマンション地帯へ突入し
(ここまで駅から30分ちょいぐらいでした)
西18丁目駅まであと少し
ちなみに大通公園が整備される以前はこんなだったのだろうかと思われる旧商店街が存在していて、ちょっと覗いてみると
昔の北海道を知らない人には何のことかわからないのかも知れないのですが、
「北海道と言えばこんな景色だった」と懐かしく感じる街並みが残っており、
昭和レトロが再評価されている昨今、札幌市はこの辺の区画を何か銘打って温存的再開発する価値があると思いました。
札幌の道路インフラ保全予算が全く足りていない姿は、この絵がわかりやすいでしょう
いよいよ物件最寄り駅に到着です。
ここに価格450万円の1DKマンションがあるのです。
不動産投資としてみた場合の評価はいかに。
<つづく>
2017年06月12日
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