ちょうどタイミングよく前回の神泉レトロマンションと好対照を成すデザイナーズです。しかし、今回紹介するマンションは更に築年数が古いのです。
本来ならこれスマッチの”Teorema”で紹介するべきところなんですが、その特徴に間取りと広さが重要な特徴になっていますから、今回はretourのブログでの紹介となります。デザイナーズ創世記には定番ともなった「角が立って犬歯のようにギザギザな外観」を特徴にするこのマンションは坂倉建築研究所1974年作の『ビラ・モデルナ』です。
ビラシリーズは「ビラ・セレーナ」「ビラ・モデルナ」「ビラ・ノーバ」「ビラ・サピエンザ」そして有名な「ビラ・ビアンカ(堀田英二設計)」等が挙げられますが、その中でも代表作のひとつがこの『ビラ・モデルナ』と言えるでしょう。
分譲当時から非常に高価なマンションとしても知られ(今でも平米単価等では図れない価格です)、「ビラ・ビアンカ」が原宿再開発で高層タワーに隠されてしまったように、この『ビラ・モデルナ』にも同じ環境を今迎えつつあるところです。そういう意味は昨今の都市計画やマンションの意匠デザインそのものを考えさせられるマンションとも言えるでしょう。
と、この辺まで”Teorema”調で話していますが、ここはretour&Rtourですからいつもの調子で間取り図からいきましょうか。
どうですか、シンプルですね〜
これこそミニマルコンパクトの代表格にして現代のマンションにも挑戦的な何かを突きつける本物の在り方です。洗濯機は?等の無粋な話はここでは抜きにして、現代社会のシングルライフにこの物件がどんなメッセージを投げかけるのか考えさせられる物件のひとつです。
物件概要
JR渋谷7分、銀座線表参道7分、渋谷区渋谷1、SRC10階建ての8階、15.76u1R、築1974.8、エアコン、住居可、事務所可(最近は専ら事務所で知られていますが住居として仕様されている方も沢山いらっしゃいます)、エントランスにロビー(これは一時期ホテル形式で運用されていたため)、諸条件相談
賃料10万5千円(住居の場合10万円)、礼敷2/2
「15.76uで賃料10万円」只者じゃない事がここでわかりますね、(ここだけの話ですが同棟の分譲相場から考えるならこの賃料は「安い」んです)
というか16u1Rに対する不平不満って一体何なのか?逆に問い詰められる気さえします。「コレがカッコいいんだぜ」ってこの強い主張は都会で暮らす人の在り方ってコンセプトそのものが(中銀カプセルもそうですが)時代とともに随分と変遷している事も同時に教えてくれます。
差し詰め、ハイスピードでソリッドなスポーツカーのそれを思わせる意匠なのです。
最近流行の大型レジャービークル的感覚では、理解できない世界でしょうね。
そんな『ビラ・モデルナ』ですが〜
宮益坂から向かってみます。
ここからつつーっとウエスタンアームズ先の交差点まで行ってですね
ここを左と、
この地域には、”歴史ある都会”と”再開発”がせめぎあっています。
何故か「ゴジラVSメカゴジラ」のように感じるのは私だけなのでしょうか。
真新しい超高級タワー
その目の前に
「クリエイティブ」ってこういう時に使う言葉でしょう。
「名ばかりのデザイナーズが道を空ける」
な感じしますよね〜
その存在感は「部屋の内容などどうでもいいので、ここ借ります」ぐらいのパワーを持ちます。しかも昨今の30代シングルともなると12万ランクぐらいまで視野に入る事多いですから、それより安いのに住む人を選ぶようなこの意匠。
熱にあてられるような感覚を残して帰り道です。
この立地もいいポイントになっていて、「所謂渋谷に行く人」の反対側なんですよね。
実際街並みもとてもスローで、「あれ、ここが渋谷かっ、あ〜ここが渋谷か〜」と思わせてくれます。実際表参道からも7分なので渋谷のってダケのキャラじゃありませんが、こんな創造性に意図された近未来が現代社会としてどんな形になったのか?果たしてこれでよかったのか?いろいろ考えさせてくれます。
しかし、この『ビラ・モデルナ』が飛び切りいかしたハイスピードなマンションである事は代わらないのでしょう。
現代社会のレジャービークルが実測でも速いなーんて現実を前にしても、意味が違うよってぐらい世界観そのものが”違う”んですよね。
刺激を求める尖った個性のあなたにお勧めです。
2007年06月22日
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今回の物件のようなフォトジェニックな建物はもちろん
なにげなく撮られた街の写真もかっこよくて感心してます。
特に夜景とか!
どういうカメラで、どんな撮り方してるのですか?
本筋に関係ない話で申し訳ない(笑)。
カメラはですね、スマッチの方の『住まいの心理学』のサイドバーリンクにあるRICOH GRの下位モデルで現在は生産中止のRICOH GX(28mm)使ってます。
今後継でRICOH GX8って優等生モデルがあります。
GXは、集光とかの認識に問題多くて使い難いところもあるんですが色の乗りがいい(GXブルーと呼ばれてます)個性派として知られた謎なカメラで(笑
僕は絶対フラッシュ使わないので(これは遠景だからみなさん同じだと思うけれど)、常にシャッタースピードがキツイんですよ。
で、今はISO感度400・絞りは暗ければ開放(AUTO)明るければ絞りぎみ(切り替えマニュアル)、web用なので解像度は1280pxの中の下ぐらい、集光は「スポットマニュアル」か「画像中央」にしています。
ほとんどズームは使いません28mm固定が多いです、
一番厄介なのがその集光で、常に一番明るさ加減がいいところで一度フォーカスさせてシャッター半押しで移動させて撮ってます。空を白飛びさせないように注意して、風景は逆光に弱いのでちょっと夕方ぐらいが一番写りもいいようですね。
なものでシャッタースピード(AUTO)が1秒とか結構多いので、手持ちのノートPCを支えに使ったりかなりマジに構えて撮ってますよ、
それでもボケるんですが(笑
街撮りの時には、動いている絵を狙っています。
交差点なら「車が走っている時」、歩道なら「歩行者が歩いている時」(その街に似合う歩行者待ちって時もありますね)、ネコがいたら成功率20%覚悟でとにかく撮る、物件外観も生き物だと思って撮ってる部分あるかもです。
後はアレっすね〜、まだまだ腕が悪いから画像切り出してリサイズ時に見やすいように処理しているので(使用ソフトIrfanView)、たいした処理じゃ無いですが結構気を使ってます。
そんな感じでありますっ
直感的にGRかな?と思ったけど、当たらずとも遠からず。
僕はGR-Dユーザーなので、なんとかかっこよく撮れるよう
日々精進します(笑)。
GX8も生産中止でGX100になってますね。
ひえぇこれ欲しいっス(笑
ですけれど、僕は賛否両論のGXの絵が気に入っているのでしばらくGXだと思います。
それもあってあえてGX8にしなかったので、
さっき忘れていましたが、
ちなみにホワイトバランスは−3ですよん。
コルビュジエの三人の弟子「板倉準三、前川國男、吉阪隆正」的な流れですね。
そこまでの評価があるんですか『ビラ・モデルナ』
私も不勉強でした、
だから分譲があんなに高いんですか。納得です、
デザイナーズというよりアート系に近いものだったんですね、最近のマスプロダクトとの志向性の違いもその辺に理由があるのかもと考えさせられるお話ですね。