2018年12月28日

部屋探しビギナー向け企画「図面資料の読み方」

<ビギナー向けの内容となっておりますので賃貸ベテランの方はスルーでいいかもです>
※また、HPのコンテンツとほぼ同じ内容ですが、HPのコンテンツなんてそう頻繁に読むものでもないでしょうから記事化したものです(趣旨考えると毎年恒例でアップする方がいいかもですね)。

■部屋探しをする上で「図面資料を並べてあれこれ検討する」典型的な絵だと思いますが、どこをどう見れば(読み取れば)いいのかわからないままだったらコントみたいですよね。
ましてや読み方間違っていたら大変です。

間違いがちなところを箇条書き的にまとめてみましょう

●<平米数>
一番わかりやすいアバウトな見方「10平米あれば江戸間6帖」
間取り図の○帖表記は参考でしかありません。
畳のサイズは団地サイズから京間までまったく違うからです。
(江戸間標準で言えば、現代築浅マンション表記で一般的な”団地サイズ”6帖は5帖ちょいぐらい)
居室の広さは間取り図の”各室比率”と”総床面積の比率”から判断するのがベター。

●<平米数2>
RC造マンションと木造アパートでは床面積の計測法が違います、
厳密に言うと必ず木造や鉄骨造マンションは実測という意味では無いのですが、
RC造マンションはコンクリートの耐力壁や鉄筋の柱の面積を含む”壁芯計測”が一般的であるため(分譲なんかの時など区分所有の”自分の持ち分構造体”みたいな意味もあるのかなと)、
・壁が厚く、柱の太い高級系建築ほど「表示床面積より実際の部屋は狭い」のです
 ↑
現代は非木造建築着工が6割超えてますので
RC造マンションの表示を標準とし、手持ちの木造アパートや鉄骨造マンションの床面積を全て1割増しに書き換えて比較するとわかりやすいかもですね

●<平米数3>
一般的な間取りと平米数の必要標準値(だいたいですよ”だいたい”)
1R(3点ユニット)約17平米〜
1K(3点ユニット)約18平米〜
1K(ミニキッチンのB・T別)約22平米〜
1DK(3点ユニット)約23平米〜
1DK(B・T別)約25平米〜
2DK・1LDK(B・T別)約40平米〜
3DK(B・T別)約55平米〜
2LDK(B・T別)約60平米〜


●遮音性
はっきり言って図面資料で担保できるのは「限定的範囲内」です
(分譲マンションの評価を考えれば誰でもご理解いただけると思いますが、同じRC建築でもその評価は千差万別です←スラブ厚から全然違いますから)
・大雑把に言えばですがだいたんこんな順番
RC造壁式>RC造=SRC造>木造2×4=鉄骨造>鉄骨ALC>木造モルタル>軽量鉄骨
加えてですが、分譲賃貸を例外に賃貸マンション躯体が特別に強固となる理由はありませんから(床スラブも150ミリ前後が標準かと)、あくまでも参考であるのと同時に、
 ↓
・共同住宅での暮らしは「一定の近隣騒音を苦にしない環境スキル取得」を半ば条件としていると考えるべきです(騒音含むプライベートを保証するのはホテル建築だけ)、
木造戸建てのご実家ですら結構近所の音が聞こえている筈です。

動物としてのワイルドな本能が自然起動していれば、
関係の無い音は脳内でデシベルダウンされ、感覚的に気にならない処理されるものなんです。
(店番ネコが繁華街でも平気で昼寝できる理由、退屈な授業中に普通に眠くなる理由)
あまりに近隣騒音がストレスに感じる時には、
現在実生活のストレスなど、メンタルヘルス環境のを確認が近道(或は根本的原因)な場合もあり。

いずれにしても、
「古築木造モルタル」のようなベテラン向きのお部屋は、
アウトドアのキャンプも平気だ的な(飲食店で隣の席の会話が気にならないのとベースは同じ機能)、一定水準のプライバシーが確保されれば「自分でパーソナルスペースに心理的結界を張れる」人類ヒト科自然に備わる(ワイルド系)スキルある方向けと言えます。
 ↑
●よくある勘違い
一見築浅マンションに見える「軽量鉄骨アパート」です
軽量鉄骨とは基本プレハブの事で(性能は使用される構造パネルに依存する)、基本的に遮音に強い設計構造では”ありません”(注文住宅クラスになれば鉄骨造同等ですが)
「図面資料レベルで言えば」となりますが
(非木造ですが)マンションと勘違いして、軽量鉄骨アパートなのに遮音性のクレームとなるのは論理矛盾です。

番外編
あくまでも経験的な情報ですが、それほど遮音性に強いと評判があるってことでも無い”鉄骨造”ですが(商店街などによくある低層非木造建築)、「小規模なワンフロア1住戸設計」の場合ケースバイケースで大規模RC造マンションより遮音性に強い個体も存在します。
また、木造2×4アパートはそんな鉄骨造とほぼ同格の遮音性能とされていますが、この評価には「木造の方が衝撃音などがダンピングされる」部分も込みの判断です。


●B・T別
教科書的には「1RマンションをB・T別に設計することはできない」
こう考えて正しいです。
構造上長方形の専有面積となる1Rマンションの場合、居室横向き幅広でもなければ浴室の対抗面にトイレを配置する”幅が足りない”。
しかも居室横婿の間取りとなれば、すっごく薄くて小さいマンションか内廊下対抗面の高級建築かって話です。→つまり通常は「縦長長方形の占有面期」となる。

※しかもRC造の場合、無駄な床下配管を避けるため部屋の対抗面に水回りという設計も避けたい

で、仮にその1Rマンションで無理に幅を広げれば(長方形なので)ドカーンと床面積が広くなり賃料もドーンと上昇します(いきなり25平米越えとか)。
なんとかB・T別を模索するためには、長方形の線湯免責半分以上を水回りとして設計するより無い(浴室とトイレを並べて配置)、或はその応用ですね。

<さあここで問題です>
江戸間6帖の基準は?約10平米
B・T別が水回りで床面積の半分以上になるとすると?
マンションでB・T別を探す場合、床面積が少なくとも最低20平米以上無いと設計できない
(経験的にB・T別設計の標準は22平米以上の感覚ですね)
 ↑
一般的な3点ユニットの6帖1R標準は17平米以上ですから、
B・T別を優先させる場合、どうしたって想像以上に賃料は上昇します


●バランス釜
古い木造AP、浴室の絵の横に小さな箱が書いてあれば「バランス釜浴室」です
(流石の東京でも随分少なくなりました。追炊きのできるベテラン向き設備で、主としていつもお湯を張って入浴するタイプの方向き湯沸し釜の事。←弱点はシャワーの水量と浴槽サイズ)


●フローリング
本来は優れた建材では”ありません”
「写真などのリビング風演出効果」により、なんとなく日本に定着してしまった建材。
本来西洋では靴で出歩くデッキやキッチン土間みたいなところに敷設するもので、
西洋では板むき出しだと貧乏くさいと倦厭されたりします。
(映画ゴッドファーザー、コルレオーネが最初に犯した犯罪は”絨毯泥棒”)
(日本でも戸建てのリビングと言えば?スリッパです)
(室内向けクッション入りのフローリングとか日本以外にあるのでしょうか?)

より高級建築であり外国人の利用も多い「ホテルの床はカーペット」ですよね(笑
主として利用目途が寝室となるシングルの賃貸物件でフローリングって設計は(見た目重視で)本来矛盾なのです。


●オートロック
小規模低層建築の場合は、防犯性を兼ねますが、
大規模マンション(コンシェルジュのある超高級を除く)の場合”防犯性能は無く”プライバシー管理設備です。
(犯罪発生率的には戸建てがトップであるため集合住宅は元々発生率が低い。)
※犯罪組織は簡単なオートロック開錠方式をほぼ全員知ってます


●仲介手数料半額という”広告”は悪質か?
はっきり言って悪質な事例が多いです(異様に競争の激しい東急沿線の一部は例外)。
ほとんどのケースが解約退出時に”何らかの理由”をつけ敷金返却をしないなど、「結果としてそれ以上の報酬」を織り込んでいたり、無理しすぎで管理業務が全くできないなど弊害の方が大きいと考えるべきでしょう。
(借地借家法限定の準司法書士業務に相当する不動産仲介業務的には、東京の賃料相場の成功報酬一か月でもようやくギリギリなのが実情。→地価の安い地方は不動産会社単体での経営が厳しいぐらい。)

●更新料、別途手数料込みの表示について
「優良物件であるケースが多いです」
更新料が「一ヵ月+”手数料なにがし”」となっているケースは、更新時に管理会社が更新業務斡旋手数料を大家さんからもらっていない事を意味しており、
だいたいこのタイプの大家さんは「賃料設定を安く」しています。
・このタイプは更新時のコスト増分を24か月で割って加算比較しましょう
(※管理委託の信用評価としては”専属選任委託”である方がベターなのは事実ですが)


●サブリース系の24時間管理サービス契約
これも必ずしも悪質とは”いえません”
経営苦しいサブリース系が、なんとかコストを下げようと苦肉の策で付加している契約で、
サブリース系の経営に問題あるのではないか?というご意見あると思いますが、
主として高級マンションなども多く管理するサブリース系中堅大手を候補から外すのもナンセンスですし、借りる側から考えれば必要経費と考えざるを得ないですね。
(不動産会社側から考えれば”サブリース契約”はそれだけ”リスキー”という意味でもある。)


●不動産会社の信用判断
あくまでも参考ですが、
免許番号の「東京都知事(”○”)」←ここ○部分の番号を見てください
更新回数大きい方が基本的に信用上位の老舗です


●仲介手数料無料となる「貸主系物件」
仲介手数料無料って事は事実上「借主代理人を立てない」を意味します。
(契約者である自分が法的内容を担保する専門職スキルを持って契約する的な)
(プロ野球契約更改時「代理人の有無」で考えればわかりやすいかも)
このタイプは滅多に一般公開公募されていませんし(管理会社も仲介代理店による公募を前提としているのが一般的)、そもそも管理会社で契約業務を行っていないケースも多く、
「問屋直接取引的に得なのではないか」などと”考えない方がベター”です。
※ある意味そこにはURにおける諸問題にも被っているといえるかもしれません


●方位
重要なところですが必ずしも「ド・南向きベターでは”ありません”」
風水含む南向き神話の原点は「庭付き戸建ての(湿気の多い)”庭”をどこに置くか」です。
この段階で現代集合住宅にはほぼ関係が無く、
そもそも庭付き戸建てには縁側など直接室内に日光を”入れない”バッファーが存在します。
(反射光やコントロールされた日光で明るいのが理想。←実際ほとんどの方がベランダバルコニー側窓にカーテン付けますよねww、昭和往年のマンションにはバルコニー側を個別サンルームに設計した例もあったぐらいです)
現代集合住宅的には”東向き〜南にかけてベター程度”に考えるのが得策でしょう
(窓前方が大きく開けて中層階以上場合に北東ベスト論があるぐらいです)
(そういう意味では方位というより”その建造物の中で窓前方開けた配置に居室があるか”のが重要)


●洗濯物干し(ここ方位にも関わる事ですが)
集合住宅の場合「本来は屋外物干しを推奨して”いません”」
(女性ひとり暮らしの場合は防犯的にも推奨されないのは考えるまでも無いですね)
ましてや、タワーマンションの高層階でベランダバルコニーに洗濯物干そうって人いませんよねww
加えて分譲マンションの場合、バルコニー手すりなどは”外壁共有部分・管理組合帰属”であり、よく見かけるバルコニーにがぼーっと布団被せて干すのは「規約違反」です。
(というか屋外布団干しの習慣は戦前〜戦後の”シラミ”がいた時代の話で、現代社会では室内干しで効果的には十分。というか現代は排ガス含む化学物資や花粉の粉じんが付着するリスクのが大きい。)

巷の通販で布団乾燥機が売れている理由でもあります

確かに屋外に選択物干し場がある方が何かと便利なので「ある方が優位」なのは事実ですが、
実生活上では「室内に物干し空間を想定できるか」の方が重要だったりします。
(説明するまでもありませんが、ユニットバスの換気扇は通常24時間回すものなので、下着等薄いものはユニットバスを乾燥室として利用することができます。)

シングル住居の場合、ここ何気にポイントでもあるので、
今後は「乾燥機能付き洗濯機」がより普及すると思いますが、
「乾燥機能付き洗濯機」は重量が重く、乾燥機能運用時の電力消費も半端無いので古築木造アパートでは使用控えるのがベターと思います。
 ↓
●ここで棲み分けができているのです(通常木造アパートには屋外物干し場があるため)
「屋外に物干しするのは、もっぱら木造建築の場合である。」
(室内干しで湿気を気にする人いるかもですが、基本寒すぎて屋外に洗濯物が干せない北海道でそれが問題になったことは”ありません”。結露など室内湿気問題の原因の大半は”空気の流れ”ですから、適切にサーキュレーターなどの利用による通気の方が重要なのです。)


●自転車置場(バイク置場)
木造アパートなんかの場合”空いているところ勝手置き”で可だったりしますが、
非木造マンションの場合、消防法などの指導により(特にバイク置場)、駐輪場として整備された特定の場所が無い限り認められません。
マンションの資料に「自転車置場が無い場合、本当に置けない」と思った方がいいです。
マンション派の方は、常に「小型の折り畳み自転車を玄関室内に」のオプションも持っておくのがベターでしょう。


●一人暮らし(シングルルーム)では滅多に二口目のコンロは使わないものだ
勿論これ絶対の法則ではありませんが(笑
東京ひとりぐらしにおいてどれだけ自炊するのかにもよりますが、料理を作るにおいても(後片付けの点からも)できれば鍋ひとつ・フライパンひとつでできちゃうものが多くなります。
可能であれば「調理は電子レンジだけ」ってケースも少なくないかと、
近隣にコンビニも多い東京ひとりぐらしの場合、ガスコンロ二口よりも「何らかのコンロが1口あれば、後は電子レンジの補助的使用でほとんどOK」だと考えるのが吉に思いますね。

※実際2DK以上のファミリータイプはほとんど二口以上ですからね。
割り切って「ガスキッチン二口とはファミリータイプの設備である」と考えちゃうのもアリだと思います。

シングルの部屋探しの時に「ガスキッチン二口」マスト
業界的に上記指定は「候補が半分以下になる、数千円は賃料が上がる」と、僕ら考えます。
「ガスキッチン二口」マストの指定は=希望条件として「賃料少し高くでも」を意味しますので、十分に考えるべきポイントだと思います。
(事実「その差額でキッチンワゴンと高級なオーブンレンジ買えませんか?」と思う事も多数です。)

●『春相場』
2月中盤から”本当に募集賃料は相場として上昇”します。
昨今の場合、引越し会社も繁忙期の料金が右肩上がりです。
春の部屋探しは早目に(可能な限り2月中に)、これは事実です。
春の部屋探しは「内見予定日当時に候補のどれかが”もう終わりました”」←よくある事です。
ですから、春の場合は内見後即日申込判断をするべきです。

注:特に現代の引越しは「現契約住居の解約届を出さずに、契約中に次の部屋を探す」ため、引越しの多い時期=日本で二重契約者が最大となる時期なんです。
つまり、退去しリリースされる部屋の募集は4月後半以降となってしまうため
マジに繁忙期には空室が不足します。
(よって空室余剰となり→今度は賃料の安い『夏相場』が発生する)

そんな意味で、どうしてもって場合を除きretourでは
「春の部屋探しを推奨して”いません”(5月以降にしませんか的な)」



posted by iwahara at 16:40 | 部屋探しのポイント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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