こちらretour&Retourでは、この”売地情報です”記事の中で分析されている内容と肝心な上物の評価について追跡しようと、こういワケです。
価格やお家は又凄いんですが、一般的な資産評価の在り方やマンション購入時の資産的背景等考える上でも参考になる事例になります。
家自体が凄いですから、「東京の豪邸ってどんなだろう」的な部分に興味ある人にも見逃せないレポートになると思いますよっ
売買条件等の概要については上記”売地情報です”の記事参照ください。
売地の募集図面はレポート末尾にアップしておきます。
先ず立地ですが、
一見大田区っていうと湾岸系工業地帯の一部みたいな印象ですが、田園調布駅のすぐ近くは大田区だみたいに住宅街としても有力な地域で、
物件のコピーは久が原5億7千万ですが、最寄駅は『東急池上線の千鳥町』となります。

街はとても閑静な住宅街で、

ここはどことなく高級一戸建てが並ぶ柿の木坂にも似た雰囲気のある地域です。
緑もあって、

その小公園の真向かいに物件はあります。

一目でそれが大豪邸である事がわかります。


建物自体は築S50年RC2階建て地下1階(実質1階)延床面積566.51u(171.36坪)となります。
土地は実測:624.61u(188.94坪)
RCですから、公式的な耐用年数の半分きたところ(内容的には後30年は十分現役)となるでしょう。
構造的には、地下表示となる1階が「駐車場・倉庫・メイドルーム・入居者通用口」となり、オーナー住居部分が1・2階(実質2階3階)となる内容です。

外観から見た所の要補修個所は「一部外壁亀裂」「土台外装の亀裂」「窓の外の日除け等の撤去乃至補修」「裏口塀部分の外観」「メイドルーム等の窓の外の柵錆止め」「外装タイルの一部に浮いている個所アリ」「内装(クリーニングとカーペット張替え等)」になります。
現在の販売募集は「現状渡し」にはなっているんですが、工事見積り取るにも、その工事費用の交渉等(大改装が無い場合なら)現オーナーにお願いする形で、実際の取引価格をどう設定するのか交渉する形がベースラインになるでしょう。
現実問題これまでの取引事例から、撤去も含めてほとんど土地だけの評価でも4億5千程度の評価がありますから(そのまま上物利用なら+1億〜の評価と見て)、5億5千のラインが出てきます。販売価格の5億7千との差額2千万円と現状渡しの内容部分が円満売買巡る交渉案件になるでしょう。つまり「5億7千は現売主さんの第一投」となるワケで、上物評価ってつまり作品としての評価の部分もあるので、その価値を認めるタイプの人もいるでしょうし、大幅な改装・改築を前提とする場合と相当開きがある。
成約価格にはそんな相性部分が大きく左右するのです。
ここで、「不動産売買の在り方」記事の「路線価2億3,400万円地価公示3億3,000万円成約事例平均価格3億7,000万円」の数字の読み方は何って事になりますが、
これはスケールメリットを無しにした場合の「切り売りした場合の評価」なんですね。見方的には「大底の底値的ガチガチの短期売買的資産評価」となります。
土地評価のセーフティ的評価額と見た場合の数値です。
ここいらの説明がちょいと複雑なんですが、
簡単にする上で、賃貸における利回り計算で説明してみましょう。
賃貸の利回りって「収益(年間賃料)÷売買価格」で計算します。
大屋さん的経営って考えますと、10%だと良く回っている(高収益)なイメージですね。
これ金利と同じで、安定的な経営を考えると低利回りでも空室リスクを減らした方がいいと考えると7%で「かなり優秀」みたいな感じになります。
でですね、分母が資産価値ですからその資産価値が高くなるとより利回りは低下するんです。
つまり「収益は少ないが資産価値が保全されているので、収益部分を減価償却みたいな発想で見るのと内容が違う」のです。
わかりにくくなってきましたね(笑
なんていいますか、田舎のボロアパートだと利回りは13%とかザラですが、その理由は「20年以内に売買価格と建設費の元を取れるぐらいに」→資産価値はほとんど無くて生産性は専ら耐久消費財的な上物価値になるから。なんですよ、
分母の単価(土地評価が安い)が違うからです、
資産価値も高い(経済成長があれば値上がりする)のに上物にも利回りがあるって状況だと当然上物に対しての土地評価の割合が高いので当然利回りは低下するんです。
土地評価に比例連動するほど賃貸における賃料ってスライドしない
(ある意味東京の賃料って安いんですよ、実は)
本来土地の生産性じゃないですが、土地自体の価値のファンダメンタルが違ってくると「不動産が不動産らしくなる」というか、その潜在性は高級住宅街と郊外のアパートの土地とは違ってくるからです。
当然価値って原型”希少価値”ですから、広い土地(しかも角地)を占有すればスケールメリットとしてその評価はより高くなる。
この辺一律の平均とは同額にならないんです。
と、ここまででこの物件の評価が5億5千をベースの2千万円な部分と現状渡しにおけるリフォームの費用の部分で「円満売買巡る交渉案件になる」となるんです。
この辺をトータルで考える参照レポートとしては以下になります、
http://retour.seesaa.net/article/3758531.html
http://retour.seesaa.net/article/3604003.html
http://retour.seesaa.net/article/7412285.html
http://retour.seesaa.net/article/7452079.html
(この上原は本当に安いです、問題は地下プールの評価ですね)
http://kagewari.blog.smatch.jp/blog/2007/01/post-e8ae.html
http://retour.seesaa.net/article/7507889.html
http://retour.seesaa.net/article/15648871.html
http://retour.seesaa.net/article/9014650.html
http://retour.seesaa.net/article/9104596.html
(次回レポートになりますが居住スペースはこのアメリカンが非常に似ています)
リンクのアメリカンの賃料とジオフロントの利回り地下プールにおける上原と今回の久が原の土地や述床数値の違い等の延長で考えると、5億5千のベースが見えてくると思います。
かなり長くなりましたね(笑
その「円満売買巡る交渉案件」の2千万の評価部分ですが、
建物の内容はどんなものだろうか、やはりポイントになりますね。
RCって事もあるので(耐用年数が長い)、意匠含めての評価が重要になります。
相性的に見ると「個性的で尖っているほどその個性を評価する人にとっては額面以上の価値がある」となりますが、

これは、実に個性的ですね、
というワケで次回はじっくりとこの5億7千万邸宅の内部を詳報してみます。
<つづく>
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土地関係の売買図面の絵はこちら、
