デザイナーズといえば”所謂デザイナーズ”と”ほんとのデザイナーズ”が論議になりますが、言葉の意味的に二つあるのは事実です。前者は「デザイナーズ風イメージ」後者は「意匠デザイン誰誰」、現実問題どっちがいいの?と聞かれても一概に答えられない部分ありますが(前者も内容がコピーであってもオリジナリティーが無い分居住性が無難にまとまっているケースもある)、経験上前者のケースは店頭効果的内容である場合が多くて建築や内容という点で「コンベンショナルなタイプの方が上」であるケースが大半に思います。
又、デザイナーズとうと建築コストもかかりますから「30uランクのストゥデイオ系〜」という場合が多く、”所謂デザイナーズ”なら12万ランクでもアリかなと思いますが、後者の場合16万ランクと考えるのが”いい線”になります。つまり本格デザイナーズはやはり賃料も高い、
理由のひとつはシングルのリーズナブルな部屋の中心的広さである20uランク(狭くなる分賃料が安くなる)だと間取的にもほぼ定番になってしまいますから、デザイン性の違いも表現し難く本格デザイナーズとのマッチングが難しいってとこも大きいです→”所謂デザイナーズで十分”にもなりますからね。
そんな意味で10万以下で本格デザイナーズというと「世間にデザイナーズなんて言葉の無かった時代の名作」の空室を探す等入居のチャンスも限られてきます。
そんな中20uランクの意欲作が目白に竣工したのです。
Nine目白(いろんな意味でも9です)
先ず間取ですが
(9号室は成約済み)
「あー同じようなのがズラット並んでいるんだ」
と一見誰も間取的に目を惹かないかのように見えますが
なんと
”9室どれ一つ同じ部屋が無い”んですよ。
そんな事が可能なんでしょうか、
流石に全室詳細までは紹介できませんが「どうやって平面図上に違いの無い間取で全室違うのか」って建築デザインの内容は十分お伝えできると思いますよー
物件概要
新宿区下落合4、JR目白14分(西武池袋線椎名町8分/西武新宿線下落合9分)、新築壁式RC地上2階地下1階建、17.59〜19.10u、オートロック、エアコン、浴室乾燥・暖房機能、ウォームレット、移動式収納、IHクッキングヒーター、室内洗濯機置場、CATV、二面採光、保証会社加入必須(賃料+共益費の50%・連帯保証人がいる場合30%)、1年以内契約違反規定あり
意匠デザイン:藤田征樹、管理:ユナイテッド不動産株式会社
※各部屋に1台の自転車を備え付けてあります
賃料8万1千円〜8万6千円(共益費3000円)礼敷0/2
おや、20uランクって話なのに17.59u?
ここがみなさん全室体感実効20uなんです、その秘密はお部屋のレポートで、
そして「えっ、地下室?」→「全然1階です」その秘密もお部屋のレポートで、、
早速目白駅から現地に向かいます
左にチラっと見えるのが学習院です。
最寄駅的に遠くないか?な声も聞こえてきそうですが、ここにも理由があるんです。目白からだと目白通りの緩い商店街をすーっと歩いていけるので体感上も遠く感じないですし、通勤アクセス考えると(池袋勤務以外なら)どう考えても「山手線を使えるのは大きい」ですからね。最寄駅は目白と考えていいでしょう。
目白通りには特徴があって、西に向かう道には駅近くに「目白3丁目交差点の角」があるんです、少々大きな駅ならここに出口があってもいい幅の区画になるので「実測目白3丁目の角から物件まで徒歩10分の距離(公正取引表示の分速80M計測)」そして、元々図面資料だと徒歩14分なんですが地図DATA計測だと正確には徒歩13分なんです。ほとんど徒歩10分(実徒歩12分)なんですよ、
イロイロ不思議が多い物件なんです
9室ほぼ同じ間取なのに全室内容が違う、17.59uなのに20uランク、地下なのに1階、目白徒歩14分表示なのに実は徒歩10分(笑
それもあって、この『Nine目白』の存在に気が付いていない業者さんも相当いる筈です(内見する以前に物件の存在を知らない人も多いかも)。
と話はもどって、目白通りを進みましょうー
商店街にはこんなお店や
こんな教会や
こんなお店
静かでのんびりした商店街を進み
ここで曲がると
Nine目白に到着です。
外観の特徴は『完全な箱(しかもクローズド)』『二箇所独立した階段入口のオートロック』で、このブログで何度も「オートロックそのものには防犯性能が無い」って話をしていますが、このマンションは”オートロックが防犯性になる構造”があります。
先ず「ベランダバルコニーが無い→住居侵入で最も狙われるルート」「オートロック使用者が極めて少数→入居者のフリをしてスラーっと侵入できない」「通常エントランス屋内にあるオートロックが外にある→隠れる場所が全然無い」「そもそも最も住居侵入で利用される掃き出し窓が無い」「浴室乾燥機能により外から洗濯物を見られる事が無い→入居者の性別が特定できない→空き巣狙いの場合当然狙いは女性のお部屋です→室内に貴重品等金品がある」、
この『構造によってオートロックの有効制が非常に高い』部分がこのマンションを語る上で重要ですからみなさん憶えていてください。
さぁ「地下と呼ばれる1階3号室へ」
どこが地下室なんですか
室内に入ると、全然1階です。
そして窓の位置に注目
エライこと位置が高いです。しかもワイド、
なので全く圧迫感もなければ暗さも無い、そしてRCの構造として最強と呼ばれる『壁式』が効いていて実に静かです。その全体が高級感に繋がっていて、実際室内にいて「今何階?」を感じさせる要素はありません。
このプライヴァシー重視で強くパーソナルを意識させる空間性が又『オートロックが有効』と相まって相乗効果になっています。
収納は備え付けの移動家具なので、こちらもレイアウト自由。
しかも(3号室は17.69u)狭さを感じない。部屋の広さ的には「この部屋(ちょうどドンピシャ20uランク)と感覚的に同じ」なんですよ、
それは何故なのか?
お風呂もコンパクトな様で浴槽は”深め”狭さは感じません。
浴室乾燥機能に合わせて、洗濯物を乾すためのポールがあります。
この「バストイレのレイアウト」に注目です、
限りなく3点ユニットによるバストイレ同室タイプとほぼ同等の床面積にピタット収まってます。しかも「分譲系1R」の設計と違いキッチンもショートストローク型のバス・トイレに合わせて設置(冷蔵庫を置くとピタット幅が同じになる)することで、玄関からキッチン部分の”廊下化”が起きない(又もや先ほどのお部屋参照)。同時にトイレが脱衣室を兼ねている、
秘密はこれだけじゃありません
(8号室玄関)
わかります?玄関床が壁天井同様の打ちっ放しで連続していてフローリングの床が玄関ドアに”近い”。
どうしてこれが可能なのか?
通常なら玄関を空けて直ぐに室内が見えないように「ちょっと空間を開ける」とか「廊下的に見せる」ことが多いんですがーー
このマンション『構造によってオートロックの有効制が非常に高い』ために、オートロック入口が専用玄関的効果があるので、「すぐ部屋だっぽくて丁度いい」んですよ。
この辺のトータルのデザイン性がハマっている部分、
やはり本物のデザイナーズなんだと感心します。
これ半端な合理性じゃありません。
と、1階の”2階”6号室に向かいます
<つづく>
2007年12月14日
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