
基本コンセプトは2DK・2LDK住居の壁・天井・床を抜いてどこまでシンプルな形に住居を考えられるかって、1Rストゥデイオな方向性を「ファミリー向けの大人しいマンションの中に当たり前のように実現する」ところです。
それはマンションの素性そのもので、非木造のレーゾンテートルを問うものでしょう。

デザイナーズリフォームは3階以上の上層階が中心で、和室6帖の一般的なフルリフォームのお部屋もあるんです。

こちらが原型と、
キャッチコピー的には「造作・塗装自由、アトリエ派アート系」になるんですが、このお部屋は”生成り”なところが特徴で「非常に”完成度”が高い」ので、改装可能物件的(相当誤解が多いです)な延長で見るのはちょっと違うのじゃないかと思います。
(この辺詳しくはレポートの締めくくりでまとめようと思います)
名前のとおり立地は埼玉県狭山市になります、
その狭山市って何処なんですか?な方も多数いらっしゃると思うので、乗車時間的に複数のケースと比較してみましょう。
狭山市―高田馬場:西武新宿線(急行)45分・(快速急行)37分
八王子―新宿:JR中央線(快速)50分・(特別快速) 37分
町田―新宿:小田急小田原線(急行) 31〜36分
多摩プラーザ―渋谷:東急田園都市線(急行)20分
綱島―渋谷:東急東横線(急行)21分
蒲田―五反田:東急池上線23分
印象ほど遠く無いですね。ざっとみていくと乗車時間20分以内なら「近郊」賃料相場も都心部とほぼ同じ、20分を超えると「郊外」割安感ありも大幅な変化は無し、30分超えると「独立地方都市」賃料相場にも大幅な変化がある。
ざっくり見ると”乗車時間15分前後の差”でライフスタイルそのものが変化します。
当然乗車時間の長さは始発駅が近かったり始発駅だったり電車に座れる可能性も高くなりますから慣れてくれば「文庫本を読む・新聞を読む・携帯ゲーム機で遊ぶ・webの閲覧する・音楽を聴く・寝る」等も可能。
ボトルネックは終電となるでしょう、
(勤務地への近さって見方だとこのブログで頻繁に紹介している「山手線圏内地下鉄路線」に入ったほうが断然違いが出る)
さて、そんな狭山市における『狭山フラット』物件概要は
西武新宿線狭山市10分、埼玉県狭山市入間川3、築S57(今回内外装完全リノベーション)、RC造7階建地下1階、61.90u〜65.75u1R〜2LDK、エレベーター、バストイレ別、エアコン、2口ガスレンジ、洗濯機置場、独立脱衣洗面台、屋上テラス、5〜7階の改装は工事中で今現在の募集は4階まで、
保証会社加入必須(賃料+共益費の50%・連帯保証人がいる場合30%)
意匠デザイン:「スキーマ建築計画」長坂常氏(東京藝術大学美術学部建築学科卒)
管理:ユナイテッド不動産株式会社
ペット相談(和室系オリジナルリフォームの部屋限定:条件変更アリ)、
造作・塗装OK(デザイナーズリフォーム限定:原状回復アリ相談)、ルームシェアOK
賃料デザイナーズ:7万8千円〜8万1千円(共益費3000円)、礼敷0/2
和室系オリジナル:6万5千円〜6万7千円(共益費3000円)、礼敷0/1
都心部と比べると爆発的な安さです、
そして60u超える1R系ストウディオを探す事すら簡単じゃありませんから得られる相対的な価値は圧倒的。
デザイナーズのお部屋は基本的にはペット不可ですが、これは内装がスケルトンであるためで、犬等飼う方はフローリングすら犬の腰に良くないのご存知に思いますから実際に相談する場合にはコルク系やタイルカーペット利用に思います。ネコの場合もそうですが床関係の改装仕様を書面添付して内容によっては相談する事は可能だとの事です。
狭山市西口から現地に向かいますっ

どことなしに都心より太陽が「眩しい」

街並みも蓋掛け側溝が残っていたりのんびりとしていて

道を歩いているだけで気分的にもリラックスできます。

物件は10分ほど歩いた市街地交差点付近にあって


もうお米屋さんの向こうが『狭山フラット』です。


外装塗装も洒落ていて、グリーンなイメージ
オリジナルが元大企業(相当な大企業系ゼネコン)の社宅なので、
「それはそれは駆体から内容がいいでしょう、そりゃ」と基本部分の出来栄えも半端なものじゃありません。ある意味どんな性能表示より信用度が高い、
だからこそ「スケルトンリフォーム」が可能で、ペナペナの新築系マンションにはできない芸当です。

かといってこの地方都市に外観も打ちっ放しのゴツイマンションが似合うのかといえば通常”浮いちゃう”んですよね。デザイナーズは都市計画的にも本来都心部だから在り得るデザインで、無理に地方に建築して近隣から浮いちゃうと「色物」的になってしまう事も多く、
「この外装デザインにして室内がスケルトンリフォーム」ってのがイイんですよっ

窓の格子もレトロでお洒落、
お隣のお米やさんが又相当なもので

反対側のお隣には100円ショップが

斜め向かいには豪奢な木材系商店

これも見事な店構えですが、スケルトンなお部屋の改装部材でちょっと相談してみるのもいいかもです(売ってくれるかどうかは保証しませんよー)。
さて、室内入ってみましょうか。
404Bモデルルームにもなっているお部屋です、


なんとこのスケルトンリフォーム各室なんですが、意匠デザインのスキーマ建築計画長坂氏の「インプロヴァイゼーション(即興性)」で、「うーん壁取っちゃおう、ここは天井残しのペンキ仕上げ、この部屋は全部取っちゃおう」な勢いで設計されています。
このモデルルームも塗装屋さんのアイデアで「壁塗装に使うアクリル系っぽいクリアでやってみますか」な結果

床「光ってますっ」

ガチの耐久性は保証できないという事ですが、素材的に亀裂入ってもエポキシ形の補填材で容易に補修できるでしょう。
このまま暮すパターンだと、なかなかイケル完成度。
全室共通の基本設備見ておきましょう
浴室

元がファミリータイプなので十分に広くグレード的には標準タイプ
他水周り


403C床がサンダー仕上げ(サラットした感じ)の無垢コンクリ



今回のスケルトンリフォーム成功の鍵ともいえるのがキッチン周りの処理で

このコンクリ系のお部屋にちょうど合うんですよね〜
ちょっと旧式のキッチンデザインが、絶妙です。
間取的には

座敷風の4畳半の和室がまたイイです
これで無垢の木材の柱が入っていれば「竹中直人監督:東京日和」的なセンスにもなるのですがそこまで贅沢は言えません。最近のデザイナー系の方からは和室ニーズがとても強いので、この和室を残したのも選択肢的にベストマッチでしょう。
この部屋には玄関よりにサービスルーム的な1R書斎的なお部屋があります

この広さが絶妙で、当初の間取的には「子供部屋」なんでしょうけど、メインフロアから離れていますから「仕事部屋も別に欲しい」なあなたにピッタリ。
次はどんなお部屋かと402Dに向かいます
<つづく>