今回は「狭山フラット」からの改装繋がりでピッタリのレポートです。
事例としてもとても特殊なケースで、そのサイドストリーも又特殊なんですが現借主である某写真家の方から了解済みとなりますからレポート後半部分で触れようかなっと思います。
さて、一般の方にはちょっとわからない事だと思うんですが、『写真スタジオ』仲介営業の仕事としては比較的多くある問い合わせなんです。その理由が「見つける事がほとんど不可能なので同じ人が結果として多数の業者に問い合わせをしている」からなんです。延べ件数が多いって事ですね。
このスタジオとにかく難航します。
理由は
1天井高が必要(3m〜)
2業界的に「所謂イイトコ」でなければならない
3外光利用の場合建築基準上無理のある採光度が必要
4商業利用を織り込んでいるケースが多い(貸しスタジオ:非常に利益率が高い)
5問い合わせの人物像として”物件キャラ依存タイプ”が多い
(カメラマンの方は改装的コンセプトよりある程度完成された素材重視の人が多い)
6本来ならその特殊性から「土地を購入して建てるものクラス」である
7貸しスタジオを考えている人はその利益率のパフォーマンスから賃料上限はかなり高いが、そこからの逆算として「相対的に改装費用の準備が追いついていない」→5と関連
等々、不動産の現実って世界より長年の物件探しの影響か「どうしてもこういうのが必要」に傾斜してしまっている場合も多くて(合わせて経験から不動産業者への信頼も傾いてしまっていて)、実現可能な方向性をコンサル中に感情を害してしまって(「これを探せと言っている意味がわからないのか」的に)、コンサルの意味を踏み外して調査前の段階から雲行きが怪しいケースも多いんです。
結果的に不動産業界の方にも「いやぁ写真スタジオの問い合わせは勘弁してください(難航する調査の上にほとんど成約が難しいので莫大な赤字になるケースが多い)」になってしまう有様なんです。
それこそ問い合わせを見た瞬間「まいった写真スタジオ、う〜ん」となるぐらい厳しい問い合わせなんです。
そーーんな写真スタジオの成約事例改装レポートをお伝えできるのは、感無量といいましょうか、お部屋を紹介して仲介した私にとっても誇らしいお話なんです。
正直「ついにやった」とグッとくるぐらいの話なんですよ〜
この成功も借主の某写真家の方が大変素晴らしい方である事、全面的にサポートしてくれたRELIGAREの田村さん、媒介会社であるアーバンホームズ中村さんの協力あって初めて成功したとこの場を借りて感謝したいと思います「ありがとうございます」。
さてキックオフしたそのスタジオです、
エントランスのビフォア
アフター
原状回復の特約からなんと自動ドアとして復元性を残したままセキュリティーまで踏まえた改装の結果がこちら(ここRELIGARE田村さんだからできる仕事です)。
玄関付近ビフォア
玄関部分アフター
接客可能なフローリング仕上げのオフィースを設けたオリジナルデザイン
(チラっと写っている黒い遮光カーテンはシャッター撮影用)
このフロアの出来栄えも素晴らしくて、ここだけでも十分洒落たオフィースだったり、物販店舗でも飲食店舗でも可能なレベルに達しています。
そしてメインフロアのビフォア
アフター「フォトスタジオメインフロア」
素晴らしい完成度です、わからないところに様々な工夫があるんですが、そんな細かいディティーるをお伝えできなくて残念なぐらいですっ
これがですね、店舗として見ても(総床面積約80u)このままどんな業種でもいけるぐらいのレベルで現借主である某写真家の方の言葉を借りると「誰もが驚く」出来栄えなんです。
難航に難航を重ねた貸主法人の方が一番「驚いた」という改装だったんです。
このサイドストーリーがこれまた大変な話でした。
話は最初の問い合わせのところから始まります。
ここでお名前が「某写真家の方」となっているのは、この方が「僕は個人スタジオとして考えていて貸しスタジオの経営とか、そういうのは無いんです」な(いやいや広告性とか考えていないし、かえってセキュリティー的に困っちゃうよ)であるからで、ここ問い合わせの内容的にも「貸しスタジオ的部分」等とにかくスタジオ探しでいつも揉めるポイントが少なかった(というかこの某写真家の方がまだ現役バリバリだという事とご自身の仕事への自信の現れなんです)、
十分各方面探されている結果”現実を見る視線”を持っていた部分がとても大きかった。
不動産業者にとって一番困るのは、「探せばある筈だ」と結果的には現実を拒絶してしまうケースで、これは構造的には現実の否定(業者への不信)にまで及ぶ事すらあるんです。
しかしこの某写真家の方は違っていました。
「今の現実の中で勝負していく気持ち無かったら何もできやしない」と、
「それが現実なら俺はこうやって」と物件探しを戦略的に考える視点があったんです。
私が難航する調査の中で「お、これはイケルかも」しかし半地下って物件なのでまず「参考として」と資料を急送しても素早く「内見行きましょう」となり、
内見で即座に私は「勝った」と思い、阿吽の呼吸じゃないですがこの某写真家の方も「勝負しましょうか」と申込に、
ここはお互い「ほんとに何も無い完全スケルトンな内見」でも改装後のイメージをイケルと見た”読み”も一致した事も大きかったです、
ところが何せ貸主法人の認識が予想と(募集広告的にも見解が)随分違って、改装の折衝がその貸主法人となる会社にて数回に及ぶロングランとなったのです。
この間RELIGARE田村さんにはまだ契約前なのに基礎的な設計図面の作成から数回数パターンの見積りを作成してもらいその会議にも同席してもらい、本来なら仲介業者になる私は媒介になるアーバンホームズに配慮してこういう会議には出席遠慮するところなのですが、会議の内容から「是非参加してもらいたい」と、ここはアーバンの中村さんにも了解いただいて第二回会議から出席してプレゼンテーションとなり、
ええ、ええ、ここから書ける事から書けない事まで普通の人なら切れちゃうような交渉が続きました。
最終局面には申込のこの某写真家の方も会議に同席して、なかなか進まない会議の中で(ホントにイロイロあったんですよ、書けないけど)も粘り強く「いえいえスタジオってね」と”こちらサイド”で頑張ってくれました。
なにせ改装後の内容(契約上の特約含めて)を”こちらサイド”は経験からリアルにイメージできているんですが、それを伝える事がホントに難しかったんです。
そして改装費用を考えれば基本設備部分までの中間造作の引渡しの内容をいかに詰めるのかも重要です。見積りと電卓片手にほとんど戦い状態でのシミュレーションを続けて妥協点を探り、、
思い出しても疲れてくるぐらいでして(笑
ホントにこういう成功事例を前にすると、
表現できない喜びあります。
とても素敵なスタジオですよっ
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過去の成約事例改装レポートはこちら〜
http://retour.seesaa.net/article/9273249.html
http://retour.seesaa.net/article/22675989.html
http://retour.seesaa.net/article/22705929.html
http://retour.seesaa.net/article/22764679.html
http://retour.seesaa.net/article/9553413.html
(DADAcafe=RELIGARE)
スマッチの方にもアナウンスしましたが、RELIGAREの田村さん(ちょっと哀川翔似なお方)が前衛的な挑戦を始めています。
営業抜きで店舗開店から改装、住居の改装やリノベまで「意見交換の会」をDADAcafeで開催しています。サイドバーのリンクに「お話会」として紹介されているので既に気がついている人もいるかもですが、
今の段階で2月まで予約で一杯になっている状況です。
普通にDADAcafeいくだけでも楽しい事ですから(参加費って500円のドリンク代だけだし)、改装に興味ある方から、改装費用に悩んでいる人まで「ぶっちゃけどうなの」確認するチャンスです、
誰もが建築家ばりの知識持っているなんて事無いですし、部材コストといっても内装業者の中には「実質部材輸入代理店じゃないの?」な高価な部材カタログしか見せてくれない業者まで様々です、そんな業界事情を聞くだけでも価値ありますよ。
レポート前段読んでいただければ「準備段階の重要性」わかっていただけると思います。
部屋探しが成功するのか、見つからずに業界の地図に彷徨うのか、大きな分岐点が”現実を捉える認識”であるのは明らかです。
想像や憶測や理想論や空想ではなく、生きた情報こそその可否を決定付けるといっても言い過ぎじゃありません。
2008年01月04日
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