NYテイストのコンクリート剥き出しでご存知のこのマンションは、原状回復(内容次第で回復の内容も相談)を前提の改装可能マンションで、事務所も可なので『村田ビル』としても知られます。
■過去のレポートは以下
http://retour.seesaa.net/article/2638459.html
http://retour.seesaa.net/article/2616025.html
http://retour.seesaa.net/article/3138552.html
代々木では「知る人ぞ知る」有名なマンションで、最近ではデザイン関係や(雑誌『lives』なんかでも紹介されています)、スタイリストさんなんかの間でその存在が知られています。
この味のあるアートな存在感から、TVドラマやCDジャケットのロケなんかも行われていて、地下駐車場にはフォトスタジオもあるのです。
そ〜んな村田マンションで「大規模改装」をした入居者の方がいます。実は、私が仲介したお客さんで申込の時から“改装”が前提だったので、申込と改装の打ち合わせが同時だったぐらいです。
契約の時も「何日までに、えーっと天井全部と床、キッチンも全部やるの?壁も」と詳細な打ち合わせ、
デザイン・企画のプロ(CODAL)が自分のお部屋を(住居としても使用可能)改装するんですから半端じゃありません。
「賃貸で改装して減価償却可能なのか?」その答えは最後に、
元のお部屋です
北向きの明るいお部屋です
キッチン
村田のキッチンは正面を向いているタイプと横向きがあり、このお部屋は横向きタイプ
天井
事務所風のパネルが貼られています
これはこれで人気のタイル張りのおトイレ
そこに
芸術家集団“大田区ワークショップ”の「左官屋さん」
天井は
一見解体しているように見えますが、
この『職人さん』が、この改装に重要な存在だったのです
昔この国で職人さんが芸術家と同義であった事を証明してくれます。
確かにキッチン玄関の造作も
完全撤去
ここでポイントが、玄関近くのバスルームとキッチン下には配管があって、床を剥がすと「ここ一段上がっているんだよね」この玄関近くの一段高い床をどう生かすのかがポイントに。
改装のポイントに「過去の和室時代の歴史をデザインとして掘り起こし、再び蘇らせる」というデザイナーさんのアイデアで、和室だった時の梁の後を溝として残して欲しいという依頼。
(壁の表面仕上げを剥がす過程で70年代のアイドルのポスターが発掘されるなどの発見もあったのでした)
大田区ワークショップの職人さんは、その企画とデザインを形にする本物の技術を持っています。
壁にある柱や鴨居、幅木の跡は凹状に「再現」されていて、発掘された遺跡のように生き返っています。
まるで前衛芸術のようです、
最強のRCと呼びたくなるほどの強固な筐体がお部屋のデザインとして浮き上がり「柱一発」で1個のデザインのようです。
天井
所謂ただの天井抜きではありません。
村田だからこそのコンクリートの力強さが無垢の形で表に出ています(昔の建築はコンクリートの質がいのです)、デザイナーさんのお話では「当時の建築の型枠には杉の板が使われていて、ほら木目が写っているの見えますか?」
何やら天井は「ガラス板にコンクリを流してそれを下から眺めている」感覚になっていて、当時の建築様式を知る手がかりにもなっています。
当時にここで仕事をしていた「人」の振る舞いが残っている
元が元だけに、ただ天井を抜いたってだけでは終わらないのです。
キッチンのあった水回りの部分は一段高くなっているので、デザイナーさん曰く「ステージに見立てて」
応接に
キッチンはここの後に「柱とぴったりのサイズ」の業務用のものですっきりとまとめられています
ここの床の仕上げが秀逸です
段差を見事に“生かす形”で、再構築されたデザイン
テーブルの土台には、土木工事の雨水升なんかが利用され、その造形もアクセントのひとつになっているのです
玄関部分のオリジナルには、下駄箱一体型の目隠しの板組みがつていいて「これ外すのもったいなくないですか」という話になりましたが「わかっているんですが、これも外します」
その理由がこれ
「ここには和風のものが似合うんですよ」
古材からぴったりのものを探してきて、
「これはいいですねぇ、さすがです」
床は村田社長曰く「本当はダメなんだけれどあそこだけ床にコンクリ流すの許してあげたんだよ」との事でコンクリ張りなので、トイレもコンクリで清潔感のあるアルカトラズ風
このマンションに特有のテイストっていうのは、どこかアンニュイな柔らかさで、時に廃墟のような表情を見せ、それは何も書く前のキャンバスのような真っ白さでもあり、何もしていないのに何か想像の世界に引き込まれる力があります。
ここのお部屋はそれをデザインの形で再構築した完成度を見せていて、
このデザイン事務所(住居でも使用可能)に打ち合わせ来るクライアントは応接に座っていられずに「え〜っどうなっているの」と腰をおちつけるまで暫くかかるのだそうです。
そういう私も、あんまり居心地がいいので取材の後もなかなか帰ることができなく、ついつい長居してしまいました。
窓からは、紅葉が始まりかけの初台の遊歩道が見え
何を考えるでなし、ぼーっとしてしまうのです。
プロのデザイナー作「デザイナーズでは無いデザイン住宅」
マスプロダクトのデザインは、デザインだろうか?
つい考えてしまいます。
プロのデザイナーさんの想像力と、大田区の職人さんの造り上げた空間は「ちょっと値段のつけられない世界」で、
募集賃料14万(管理費10000円)の部屋とは誰も思えないでしょう。
「改装コスト約100万」
正直これは驚きです、同じ広さの50u2DKのルーチンの完全リフォームコストは200万ぐらいかかるんです。
近隣相場から考えても、この内容なら20万じゃ借りられないです。
なんてことないスケルトンの事務所や一般住居で18万ぐらい、デザイナーズ系なら37uでも17万します、近所のグレンパークが50uで21万7千円、来年完成のグランハイツ代々木が戦略的な安さで48u19万円管理費8000円(募集が一戸なら20万以上の内容です)。
賃料だけでも10ヶ月暮らしたら契約時の礼金と仲介合せて13×7=91万消却しているのと同じなので、2年契約内で消却する事は間違いありません、
この物件の場合原状回復がキーになりますが、CODALさんには「出るなら次貸してね」と現状のまま借りたいという方が既にいて、そのまま村田社長に紹介できる状態にあるので心配ありません(このお部屋を見てから「募集賃料14万管理費1万」と聞いて驚かない人はいませんから)。
純粋な事業物件:事務所なら保証金だけでも6ヶ月以上は間違いない、、、
リフォームのコストが100万で納まっている企画デザインだからこその話です。
通常retourでは賃貸の自費リフォームは勧めません。本来分譲でアプローチするものなので、この成功例は「村田であること」と「デザイナーさんのセンス」がもたらした希少例なのです。
素敵なお部屋ですよ、ほんと。
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実は今日(ってか昨日か、、)事務所兼店舗に改装可能な古築一戸建てを探すって依頼で探した物件のレセプションに招かれまして、またまた「改装後」を見てきました。
こちらも「店舗デザイン事務所が自分の店舗事務所をデザインした」もので、さすがですね〜な内容です。
※こちらも取材してきましたから近日中に公開予定
再生って時に一番大事なのは「元々ある価値を見抜くセンス」って事を再認識してきたところです。
その一戸建ての契約を巡っては、一度私が業界的な何に足元掬われまして、、
(このお話は、レポートの時に)
さて話を村田マンションに戻しましょう
「村田マンション外伝」ですね
紹介のお部屋の入居者の方が貴重な写真を送ってくれました。
あるお部屋の入居者の方らしいんですが
はい村田マンションは○○○可じゃありませんので、え〜っとこのお方はお住まいの同居人の方らしいです、、ハイ(汗
しかも共有スペースにいらっしゃいますね、ええ、、
情報によると、このお方だけでなくbow wow系のお方もいて、しかも大柄の方も見かけるそうです。
文化の殿堂村田らしいですねぇ
だから何ってのじゃなく、みなさん微笑ましくお暮らしなのです。
ある意味都会のマンションのあるべき姿のひとつかも知れません。
ここに関しては今度一文書こうかとも思っています〜
※CODALさんを紹介して欲しいって時にはメールください。
相変わらずのご活躍でなによりです!
しかし 本当にすごいね
まるでテレビのビフォーアフター
見てるみたいだ!
やはりリフォームは発想ですね!
勉強になりました、ありがとうございます!
リフォームとかリノベーション、難しいですよね。
現実には、「分譲物件をリノベして賃貸へ」か「古い部屋を家主さんが再生」か「中古マンションを買って自由自在に」になるから、コンセプトとCP(費用対効果)が大事だし、『その後の印象』って数字に出ませんものね。
正直今回の取材で驚きました、プロのデザイナーさんには『その後』が常に見えているんですよ、
改装の打ち合わせの時にも「ここはこうして、ここを外して、ここは、、」一気に説明するんです。
オリジナルデザインなのにですよ、
初見と申込の間に「全部プランが出来上がっている」。しかも迷い無く「いえ、こうしてください」と、
今回の場合「隠れている木造時の跡」は、見えないまま「やりましょう」と。構造筐体からある程度の予測が最初からあるんです「建築年次や様式」から
通常のリフォームだとオリジナルの内装よりグレード落ちる例が多いじゃないですか(新品にはなりますが)、そこで物件管理を含めて某有名デザイナーズ系管理会社に委託すると「大変な金額」になりますしね。
某番組の改装コストも、冷静に見ると「高い」ですもの、しかも「それでいいの?」ってねぇ〜
我々には床材ひとつ気になりますものね
「安いフローリングと、無垢のフローリング」それが「問合わせフローリング希望なら同じだ」は無いですものね。カーペットの方が内容がいいことがあるって常識ですが、安物フローリングの方が決まりやすいとかね、、
となると「お部屋の資産価値を安易に下落させていいのか」とか。
その後のイメージが自分で描けない時には、事前に時間をかけてコンセプトを詰めるべきですよね、参考に別の部屋を内見してみるとか。
分譲を買って自分で改装して暮らすなら、毎週少しずつってのもいいかも知れません。廃材にしてもオープンルームの撤去資材にしても「いつも今手に入る」ものでは無いですものね。
ほんと 岩原さんの言うとおり!
見てくれだけのリフォームが多い中
真の質を求め 5年後10年後の効果を
考え提案するのが 私たちこの業界に
身を置く者の仕事でもありますね!
今後とも お互いに 頑張っていきましょう!
また 皆で飲めるといいですね!
機会がありましたら、又会いましょう。
実は、ついこないだ大竹商事さんへ行きました、
客付元付けの関係で、
「案内と契約」です。
大竹さんも元気そうでしたよっ
契約の時に「ゴミだし情報とかメールマガジンで配信しますから」って、
「やってるな大竹さんっ!」て思いましたよ〜
プライバシー管理上コメント欄では詳細お答えする事はできませんので以下の代表アドレスまで一度メールいただけますでしょうか。
retour-an@iris.ocn.ne.jp
売買の担当は代々木事務所の長尾になりますので(近所です)、担当アカウントよりお返事いたしますので、
よろしくどうぞです。