2017年12月29日

「年明けからの業界動向」

12月18日記事と重複になりますが、
>年明け一時的に開店の店舗はあっても「完全に各社出そろうのは15日以降」と考えるのがベターです。(年末に出た空室の募集開始的にも)

年明けの業界動向としておさらいしておきます。
タイミング的な部分は前回記事で説明したとおりなので(1月15日以降的な)、

<中期的相場環境も踏まえた状況から>
●投資向け中古マンションの値上がり傾向は確かである
「しかし、この中古マンションの価格変動は利回りの低下として表面化しており、賃料上昇には至っていない」
なかなか難しい部分ですが、
上記の状況が表しているのは、報道などでアパート投資サブリースの問題で知られるように、賃貸物件の実需要が増加している訳ではありませんから(空室率に変動は無い)、マイナス金利状況などもあって投資先として(他に有力な行き場が無く)不動産に集まっちゃっている感じです。

早晩、他の投資先に比べれば相対的に利回りが高いと判断されているだけで、
現在不動産投資が推奨される環境があるのでは”ありません”。
(利回りが低下しても価格が上昇傾向であることが評価されるような「それは違うでしょ」的な動機も含まれているかも知れませんが)
考えるまでも無く、債券投資などと違い不動産の場合は需要が増えない限り、賃料を下げて空室率を改善させようにも過当競争に巻き込まれるだけです。
悪く言えば「逆椅子取りゲーム的に誰かは必ず空室のまま利回りどころか収益が0になってしまう」特徴があるので、債券や株式感覚で投資購入された部屋の一部は(値崩れする前に)早々に転売される可能性もあると思います。


●やっかいなのが、個人が中古マンション購入などによる地道な大家さん業のようなものでは無く、開発業者によるサブリース投資商品的な開発に「ちょっと無理じゃないだろうか」な内容のものが増えているような感触があるんですよね。
業界の人って中堅管理会社の管理部でも「案外相場感覚はアバウト」な傾向ありまして、
当社のようにほぼ制限無く東京全域の調査を継続的に行っているケースは”ほとんど無い”ので、自社管理物件だけの空室状況だけで判断されている場合も少なく無いと思うのです。

実際に、管理会社判断が「安すぎたり、高過ぎたり」違和感感じるケース少なくありません。
(リノベ時の間取り判断も「想像以上のステレオタイプ」だったりします)

ここは前述の
 ↓ココ
悪く言えば「逆椅子取りゲーム的に誰かは必ず空室のまま利回りどころか収益が0になってしまう」特徴がある
 ↑
よく読んでみてください。
「この部屋しかないユニーク」が無い場合、上記の平均値の母数に飲まれてしまうんです。
確かに、奇想天外な部分もある個性的な部屋は求める人と出会うまで時間はかかるかもしれませんが、「その人にとってこの部屋しかない」フラグを持つことになりますから、
成約に至った時の契約期間の長期可能性も高い。
(これが本当の大家さんの経営判断におけるリスクを取るビジネス判断)
 ↑
こんな風に中長期的にゆっくりとした流動性の上昇の中で、木造APの間取り改変などにより東京全体の賃貸物件戸数が”床面積を上昇させることで”供給調整され、同時に個性化も進行していくのが健全なんですが、

はっきり言って現在の状況は、そうなっていない感が大なんですね。


●断言はできませんが、
2018度の前半は、中古マンション購入的にもお勧めとは言えず、
賃貸の住み替え的にも「状況落ち着くまで待ったほうがベター」かも知れません。
特に、郊外の木造アパート供給調整は更に深刻となる可能性もあり(賃料が将来的に大幅に下がるという意味ではありません→一棟売りなどを経て更地化する可能性もありどのように調整が進むのかまだわからないのです)、
まだなんとも読みきれない部分が多いかなと。

勿論、何時の時代も「個性的過ぎて相場母数に乗らない候補」は独自の個別相場で動いていますから、リノベなどにおける設計デザイン部分に才覚ある大家さんであれば状況に関係無く堅実な投資も可能に思いますが、それは誰にでもできることではありませんからね。


■賃貸の状況から言えば
所謂、築浅でユニバーサルな一般的条件の部屋を希望する独り暮らしビギナーな方にとっては厳しい環境になるかも知れません。
(ひょっとすると『春相場』賃料高い部屋しか候補が見つからないなどのケースが出てくるかも)
それを避ける方法ですが、
前述のように、少なくとも中古マンション購入による投資の場合(予め低利回りを織り込んでいるので)決して高い賃料の募集になりません。
ですから「築年数は拘らず」としておけば、候補が無いなどの状況にはならないでしょう。

この場合候補地も(中古マンションなどの母数を考え)無理に郊外遠方を考えず都心近郊も含めて検討する方がベターなケースもあると留意しておくべかなと思います。





posted by iwahara at 18:44 | Comment(0) | 売買や賃貸の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月18日

恒例ですが業界の年末年明け状況のお知らせです

業界事情的に12月末に空室募集開始するぐらいなら「1月から」という慣習や、
(リフォーム業者さんもお休みしますし)
年末は銀行各社の仕事納めや、大家さんにある年末夜逃げ警戒慣習などもあり、
不動産業界の年末年始の実質的休業期間は長いです。
(営業開始している店舗がポツリポツリあっても全社揃わないと全空室仲介調査等できませんから)
更に、1月には年始早々成人式がらみの連休があるため、

■カレンダー見てみますと、
実質「12月は今週末(23日)には終了」
年明け一時的に開店の店舗はあっても「完全に各社出そろうのは15日以降」と考えるのがベターです。
(年末に出た空室の募集開始的にも)

■現在の解約届を出さずに部屋探しを開始するため(見かけ上の需要が倍になってしまう)、賃貸相場は引越し重要が大きい時に上昇する『春相場』は極端に上昇する事ありませんが、
3月の引越しは需要増から内見候補が当日に1件終了するなど珍しくありませんので、
春にどうしても引越しという場合は、1月末〜2月中での契約がお勧めです。
流石にこの時期の契約は、大家さんも若干の入居日交渉の幅も”若干”大きくなる傾向にあり(大家さんも早目に決めてしまいたいですから)極端に日割り賃料での損失を考えるより早期契約のが結果としてベストであると考えるべきです。
(ベターではありません、ベストです。)

見かけ上の需要過多(実質はその何割も少ない)による『春相場』は、
(この場合もリフォーム業者の繁忙により)
一斉に4月に空室がリリースされ標準に戻る事はありませんから、
タイムラグを考えるなら5月からかなとなりますが。
今度はGWの業界休業期間に突入しますので、
「GW開けの更に一周後ぐらいから」と考えておけば間違いないと思います。


<年間とおしての相場状況と傾向>
現在アベノミクス景気により(二人入居選択や結婚される世帯の”引越し需要”が伸びており)、2DK以上のファミリータイプは年間通して動いており、逆に言うとファミリータイプに関しては特別に『春相場』を意識する必要はありません。

シングル向けも(これは不動産開発投資の影響と思われますが)募集賃料に上昇傾向見られます。
但し、この賃料上昇は相場事情によるものでは無く、投資募集時の「想定利回りによる事情」であるため、必ず最後には実室相場に収斂する方向に条件変更余儀なくされるでしょう。
ですから、シングル向けの築浅系や新築物件はあまりお勧めできない状況にありますので(そこは各個人の判断ですが)留意すべきでしょう。

都心部と郊外の関係から言えば、
郊外の木造アパート空室率が軒並み上昇しており、(大家さんも無限に賃料は下げられず、投資運用的には一棟売りにてオーナーが代わるまで大規模な賃下げはできないため)大規模な賃下げは期待できないながら確実に募集賃料は下がる傾向にあり、
「郊外木造APが狙い目」であることは間違いありません。
(この場合の東京郊外は山手線ターミナル駅から私鉄や地下鉄乗車時間20分から30分先ぐらいのイメージで)
 ↓
●昨今の賃貸需要から見れば「木造AP選択」は総じて減少傾向にあり、
シングルで春の引越しがやむを得ない場合、木造APを狙う事である程度これを避ける事できます。
加えて、都心部にも時折木造APは存在し(これを予測するケースが少ないため)”大穴”的に想定外の安さで募集されているケースがありますから、母数は少ないながら木造AP選択作戦は都心部でも有効です(都心部で木造AP狙いの場合は範囲を広めにするのがコツ)。


この辺を注意いただければ、
年末年始から年明け・『春相場』以降の動向を読み違うこともないと思います。



posted by iwahara at 20:15 | Comment(0) | 売買や賃貸の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月16日

マンションにおいても空室率が上昇しているらしい

『住まいの心理学』的記事になりますが、年明け当社の営業告知(末尾参照)などもありますのでこちらに掲載することにした次第です。

お題はこちら
マンション空き家率、世田谷で12%超 それでも止まらぬ建設
http://www.j-cast.com/2017/01/02287174.html?p=all

(一部抜粋)
ニッセイ基礎研究所・金融研究部不動産市場調査室の竹内一雅室長が2016年10月27日に公表したレポート「図解 あなたの隣の家、実は空き家かも? ‐都市別・エリア別に空き家率を見える化してみた‐」によると、都区部で最もマンションの空き家率が低いのが江東区の3.3%。最も高いのが世田谷区の12.8%だった。
(中略)
また、世田谷区に次いで空き家率が高いのは、港区。千代田区や中央区、新宿区、文京区などが続く。「職住近接」と利便性もよく、ハイソサエティーなイメージがある都心部でも空き家率は高いようだ。一方、目黒区や豊島区、練馬区、葛飾区などは、マンション空き家率が低いほう。「人口増加率の低い区の中には、住宅建設が活発に進まないため、空き家率がさほど上がらない区があるようです」という。


みなさん残念に思うかも知れませんが
■需給バランスとして空室率が少々変動しても簡単に賃料は下がりません。
理由は簡単です。不動産投資として負債を抱えつつのパターンは少なくありません、返済とのバランスで確実に赤字になってしまうなど、ズルズルと引っ張っても悪循環にしかならないのであれば意味が無いからです。
 ↓
ある種の不良債権化してしまうの意です。
(飲食店経営で考えてみてください。お客さんが減ったからとメニューを激安にした場合で「最大回転率で計算しても店舗の運営経費が払えない場合」経営者として「その手はまず無理」と誰もが判断しますよね。)

あくまでも典型的なパターンとなりますが、
■賃料が大胆に下がる事が可能になるプロセスと言えば、
「損切り確定のため投資物件を売却する→市場を反映した安値で購入される→購入価格と借入金などの関係から大幅値下げした賃料でも黒字利回り計算ができる→安値の募集が可能となる」
極論ですが「一度オーナーチェンジしないと投資案件として正常化しない」のです。
タイムラグが必要になりますし、全ての大家さんがドライに資産デフレの評価を受け入れる事ができるワケでもありません。
結果としてかなり長期間空室率の高い地域が(賃料相場も大きく変わらないまま)そのまま継続するパターンのが多いのじゃないかと。

上記事情から、不動産資産の流動性の高い「都心部の分譲賃貸のが空室率に対する賃料のレスポンスが高い」ことになり、昨今顕著になっている都心部への人口移動がより加速する。
そえからいよいよ限界を迎えた郊外の相場も変動始めるという流れです。

資産デフレを止めることは(インタゲ政策を掲げている)政権の経済政策として避けなければならない問題です。需給バランスを無視した不動産開発だけは政策的に抑制しなければならない筈なのに、この失敗を何回も繰り返してしまうというですね、、。
世田谷区に関しては以前から売買関連コンサルの時「(供給過剰を憂慮し)リスクが高い」と説明してきている地域だったのですが、今回の報道でやっぱりかと思いました。

過剰共有は分譲マンション所有者世帯にとって大きな資産リスクになりますが、自治体で行える都市計画などでそれを抑えるにも限界があります(やろうと思えば条例などで新築着工遅らせる手法あるかもしれませんが)。
●少子高齢化時代における需給バランス改善策は「一戸あたりの床面積の増大」に尽きます。
財務省は(ローン関連の減税や金融業界への新規融資補助策では無く)新築開発を絞り、間取り改変リフォームや入居戸数減の建て替えなどターゲット絞った投資誘導策を考えるべきで、漠然と(内容に関心無いままに)不動産開発を歓迎するようなやり方じゃいかんでしょう。

政権としても「このまま賃貸物件の需給バランスの問題を放置していたら(資産デフレがまた起きますから)インタゲどころじゃありませんよ」。大胆な対応策を考えるべきです。

■『住まいの心理学』において何度も指摘していることですが、
住宅関連政策は「あまりにも不公平」でした(新規購入者には減税などの補助金がついても賃貸住宅生活者には何らの支援も無い)。
大規模な「賃貸住宅世帯への支援策」を導入するべきです。
そのまま賃料補助という手段もありますが、最も簡単なのは「賃料の一部を経費と認めて年末調整で還付する減税策」だと思います。
消費拡大効果というだけで無く、賃料の一部に公的保証を付ける意味もあるので不動産の流通も活性化する可能性あります(広い部屋への住み替え)。
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posted by iwahara at 18:59 | 売買や賃貸の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月21日

言わんこっちゃないです(不動産投資関連テキスト)

『住まいの心理学』ブログの方で書いたんですが、
マイナス金利で不動産投資なる話や報道の大問題
http://kagewari-retour.seesaa.net/article/442563730.html

続報的なものが入ってきたので、念のためこちらのブログでも注意喚起しておこうと思います。
にわか大家さん投資の大誤算 賃貸アパート空室率上昇、「バブルの火種」懸念
http://www.zakzak.co.jp/economy/investment/news/20161016/inv1610160830001-n1.htm

(一部引用)
銀行も、消費税率引き上げで需要が細った住宅ローンに代えてアパートローンを積極的に拡大。日銀のマイナス金利政策で行き場を失った資金が流れ込み、アパート投資を加速させた。
この波に乗り、建設請負とサブリースを手がける事業者の業績は好調だ。大東建託は今年度、転貸戸数が初めて100万戸を超える見通し。連結最終利益は6期連続で最高を見込む。

一方で需給が緩み、駅から遠いなど条件が不利な物件は入居者集めが厳しさを増す。「特に単身者向け物件は供給過剰で、郊外の家賃相場は年率1%下落している」(タスの藤井和之主任研究員)状況だ。国交省は9月、サブリース事業者に対し、将来の家賃変動リスクを家主との契約時に十分説明するよう通知した。「『部屋が埋まらない』のを理由に、業者から提案通りの賃料が支払われない」といったトラブルが頻発しているためだ。

■先日記事にも書いたのですが、各機関や業界などで空室率には様々な数値があり確定的なDATAを出すのは微妙なところなんですが「アパートの空室率が問題となっている」という部分がポイントです。所謂昔からある資産家が近所の中古マンションを購入して分譲賃貸へというパターンでは無く、昨今喧伝されているのは「アパート経営」スタイルのサブリース系投資で(しかも銀行から借り入れまでして投資を拡大するという無謀なものです)、資産価値やリスクヘッジから見てもも危険な投資方法です。
賃貸住居に暮らしの身から言えば「賃料も安くなるかな」と考えますが、
不動産の場合需給バランス的に賃下げ圧力は限定的だけで無く(常に市場にあって流動するものでは無いですから)、供給過剰に輪をかけているのは特定タイプに偏った賃貸物件です。
引用記事に「家賃相場が1%低下」云々の記載がありますが、まさか現行契約者の賃料も毎月改定されているワケもありませんので(市場に流通している物件は限られている)、
実態はこちらです
 ↓
●「中古マンションの価格が1割近く上昇している」=賃料設定は同じなので投資利回りが低下する

同時に、郊外ワンルームなどの賃貸アパートの場合「空室が目立つから賃料を下げた」からといってリニアに満室になることも”ありません”し、内装や設備の管理維持コストから(投資の場合ここに銀行への返済も含まれる)賃料を下げるにも限界があるのです。
「隣の部屋の賃料が5千円下がったから引越しした」などの実例を聞いたことってほとんど無いと思います。
しかし「隣の部屋が1年以上も空のままだ」な話は常にありますよね?
それが賃貸住居の需給バランスにおける実態です。

しかもサブリース型のアパート経営ともなれば、損切りする場合「常にオーナーチェンジの一等売り」しか方法が無く(この時「売却価格が下落することで投資利回りが回復=赤字債権の健全化」となる循環)、早期に売却ともなれば厳しい指値を前に悩む事になります。

■予め資産のある方が(低金利なので)資産保全上中古マンションなどの投資を行うのはまだ十分に合理的選択ですが、
前述のとおりで現在中古マンションは値上がり傾向にあり、
この場合も当面は見合わせるべきでしょう。

マスメディアも一体誰の差し金なのかと思いますが(個人的には銀行の救済アイデアなのではと思ってます)、
昨日「賃貸アパートの空室率問題報道」していたと思ったら、
今日は「マイナス金利でアパート経営投資が大人気」の煽り報道を行い、
明日は「バブル再燃の懸念」ですからね、、
どんなマッチポンプなんですか。

一般サラリーマンの方で、銀行から借り入れしてアパート経営なんて事を安易に考えている方(またそれ系のセミナーなんかにうっかり参加してしまった方)、十分に注意してください。
「賃貸物件は野菜じゃありません。値下げさえすれば在庫管理できるような投資ではありません。」


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※金融機関からの資金調達による不動産投資全てを否定するものではありません。勿論のことですが(不動産に関わらず)法人や、既に事業をされているとか特別にメインバンクの信用が高い事情があるなどで「特に低金利で資金調達できる」ですとか(担保評価の高い資産があると等価)、「法的許可を得た民泊やゲストハウスなどの想定利回りの高い事業計画(=別途ビジネス上のリスクを取る)」など挑戦する可能性はどんな状況でもあります。
しかし、上記パターンの投資こそ(事業性が高い企画意図となり)厳しく「需要見込みの判断」が必要となり→つまるところ昨今紹介されているような(所謂素人資産家向け)「サブリース的アパート経営投資的な話」は論外になるだろうと思うワケです。


posted by iwahara at 17:37 | 売買や賃貸の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月21日

特集「昨今の賃貸住宅需給バランスについて」

所謂業界的な評価として「都市部の不動産は15%程度の供給過剰」と知られてきましたが、
■直近の動向がかなり詳細に報道されています。
賃貸住宅、異常な「大余り」状態…アパート空室率が約4割の地区も、老朽化で管理放棄も
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16114.html

(一部引用)
2014年4月の消費税率引き上げ前に住宅着工は駆け込み需要で増え、4月以降は落ち込んだ。しかし、貸家は減少が軽微で持ち直しも早かった(上図参照)。2015年1月に相続税課税が強化され、地主の節税対策としての貸家建設が増えたためである。相続税の計算では、貸家が建つ土地の評価を下げられる。賃貸住宅の建設は従来も節税対策で後押しされてきたが、相続税の基礎控除縮小など税制改正が拍車をかけた。

細かい数字は上記リンクでチェックいただくとして、
(調査内容で数字が大きく違っちゃっているところは困ってしましますが、)
総務省などが公開している「東京都内においても都心集中が進む動向」などと合わせて考えてみれば、都内であっても郊外の木造アパートの空室率が冒頭記載のこれまでのアバウトな評価を超えて(15%程度の供給過剰)、想像上に拡大していることがわかります。

引用記事にあるように(半ばそこに答えも書いてあるのですが)、郊外木造アパートなどが間取り改変で30u以上を基本とするリストラに成功すれば、”戸数としての統計”ですから、一気に供給過剰状態は改善しますが(木造建築であれば間取り改変などの工事も容易)、大家さん心理的に「ある程度の指針」のようなものが公から出てこないと問題解決も遅れるでしょう。
簡単に言えば「改装などに対する補助金などの優遇措置」のことです。

記事にもあるように、賃貸住宅は空室率が高いから入居を促すために無限に賃料を下げればいいというものではありません。収益率が下がり過ぎると維持管理ができなくなってしまうからです。
『住まいの心理学』などでは”都心のRC造ミニマルコンパクト論”などを展開している私ですが、郊外の木造アパート空室率の今後を考える場合は「間取り改変により世帯数を減らして部屋当たりの床面積を増やす」方策がベストであると思います。
「都心の17u1Rと郊外の30u大型ストゥディオは同じ賃料」←このような対比があれば、賃貸住宅のバリエーションが増えることで生活の豊かさも拡大しますし、地域行政が「賃貸住宅補助」を拡大していけば需給ギャップは貸す側借りる側双方にとって有益な方向に解決すると思います(おすすめは保証会社の掛け金を行政が負担したり、高齢者の緊急連絡先を行政とする制度の導入や確定申告時に賃料の一部を経費として認める「賃貸住宅減税」などなど)。

経企庁や財務省の目論みじゃありませんが「床面積の増加には景気浮揚効果もあります」。
この促進に財政出動行ってもリターンあると考えます。
大家さんとしても、確かに管理部屋数の低下は「空室リスクの恐怖」でもありますが、行政指導で地域一帯の空室率が改善するのであれば実に合理的な選択になります。
第一不動産投資の利回りが若干低下しても管理している水回りなどの基礎的設備の個数も低下しますから、表面利回り総額は低下しても実質利回りの低下は抑えつつ空室率の低下により収支計算も安定してきます。

■補助金行政の不公平による弊害は後日『住まいの心理学』ブログに別途記載する予定ですが、
とにかく、
”とにもかくにも”経企庁や財務省は頭が固くてですね、、、
景気対策としての優遇措置は常に分譲購入などの持家関連の政策に傾斜しています。大手デベロッパーの陳情含めて業界サイドの事情があるのもわかりますが、地味にも見える「賃貸住宅対策」こそ現代社会では重要なのではなかろうかと思う次第でありまして、
賃貸住宅の流通円滑化は誰にとっても利益になりますから、是非検討いただきたいと思う次第です。

ちょっと話し逸れます。
個人的意見でもありますが、「規制の曖昧な民泊」や「シェアハウス」を増やす政策は好ましくないと思います。
受け入れる地域の合意あっての住宅政策ですし、上記住宅は概念としては「事務所可な部屋」と大きな違いの無い事業建築ジャンルへの転用です。その辺の判断曖昧なままに規制緩和だけ先行させれば用途指定を含む不動産法制の根本がグダグダになってしまいます(下手すると地価下落に繋がる可能性もある)。税府がデフレ経済からの脱却をテーマにしているこの時に手を出す政策では無いでしょう。
→続きを読む

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2016年08月14日

珍しく売買物件レポートです(投資向け荻窪1R)

売買物件の情報は賃貸物件を知る上でもなかなか参考になるもので、売買ページのメンテナンス作業で発見した荻窪1Rの資料がなかなかの好物件であったことから今回取材レポートとなったところです。
さて最初に不動産投資の外郭から話を進めてみようと思います。
実際当社でも担当各人によって見解は違っておりまして「こうなら正解」というような答えはありません。まず重要なのは投資戦略として何を狙うのか明確にすることですね。
大きく分ければ「二つの方向性」になると思われます。
1)所謂日本の平均所得に将来的に辿りつけるような(購入時借入も視野に入れた)、年間所得額から逆算する投資(一定規模以上の部屋数を確保する購入)。
2)年金所得の足しになれば的に(国民年金支給額などが参考値でしょうか)「少額でも低リスクで借入無しで購入可能な安価な投資」。
上記二つの方向性の判断ですが、前者は結果として管理部屋数が多くなりますから一見高リスクに見えますが、賃貸運用的には「空室リスクが平均値に近づく」ため大家業的視点では低リスクなんです。
後者は購入に関して低リスクなのは文字通りですが、管理物件部屋数がどうしても少数になりますから、賃貸運用時「空室リスクの想定が難しい」となります、

但し、前者は仮に(物件固有の事情や改装含む運用ノウハウなどで)高い空室状況が発生した場合、借入金の返済がかさみ赤字転落の可能性もあります。この場合「金融商品投資であれば」損切り売却を含む撤退可能性も考えておかなければなりませんが、不動産の場合それは容易な事ではありません。
早期売却現金化が必要な状況はそれ自体が売却条件の弱さとなりますから、売却希望額が8掛け7掛けとなってしまう状況を想定しなければならないからです。損切りどころか倍損撤退みたいな形になってしまうという事ですね(そもそも運用の失敗があれば利回り含む事業性評価も低くなりますから)。

それに比べて後者の場合(私はこちらの判断を支持しているのですが)、
短期的には「平均空室率を織り込めない」厳しさはありますが、そもそも購入時に借り入れなども行っておりませんから、ぶっちゃけ空室が続いてもアンラッキーだと割り切って考えることもできます。管理戸数が少なければ将来自宅やセカンドハウスとしての運用が視野に入るのも有利な点でしょう。
導入でテキストばかり長文になるのもアレなので、賃貸における空室率の話は末尾に掲載しておきます。
てなわけで荻窪駅から物件レポート始めましょう。
西口北側からスタートです。
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ポケモンが出るエリアなんでしょうかね(笑
スマホを見ている方が何故かずら〜と並んでおりました。

そんなことはともあれ青梅街道へ出ます
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荻窪レポートは何度もやっているので読者の方には見慣れた景色かと思いますが、
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青梅街道商店街を進み
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四面道交差点を渡ります
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物件概要にも記載のとおり八丁交差点を渡るとほぼ到着です
ogtokano1r08.jpg
→続きを読む

posted by iwahara at 23:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 売買や賃貸の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月01日

「新築分譲マンション」を考える補足です

※前回記事の補足という事でショートショートです

正規の業者だけが閲覧できる国交省のDATAベースの事をREINS(レインズ)っていいます。
このREINSには「中古マンションの成約時過去情報」なども一部閲覧できるのです。
プライバシー保護がかかっているので、概略しか記載できませんが実際の取引の状況など調べてみると厳しい実情を知ることもあります。
ポイントとなるのは「中古マンションの価値保全性はあっても容易に現金化できない」ということです。単純な話利回り10%想定で10年売れなかっとしたら丸損なのです。賃貸のケースで考えれば「数年売れなかっとしたら」どれほどの金額になるか誰でも計算できますよね。
市場原理と言ってしまえばそれまでですが、不動産は基本一点もので同じ在庫があるものではありませんので、所謂経済学におけるゲームの論理のように数式化できません。
「偶然そのタイプの部屋をそこで探していたんですよ」な購入者の登場確率は総需要だけで担保できるものではありません。これに反して賃貸住宅である程度の市場原理が働くのは同一在庫じゃありませんが、1DKだとか2DKなどの類型で同一地域に他の空室もあり、総需要も大きいので”見かけ上そう見える”だけです。
(※賃貸の場合もユニークな一点もの系は「相場を離れる」傾向ありますから、中古売買の現金化率も推し計れるものでしょう。)

時に巷で流通している書籍などで「高値で売り抜け」みたいな成功本も多数あるでしょうけれど(実際にライターさんからそれらしい話も聞いた事ありますが)、これも構造矛盾です。そこそこ現金化が早くなるためには「流行のナントカ型」みたいな(わかりやすく言えばついこないだ完売して買い損なった人もいるような)築浅物件の早期売却事例になります。←てかそうじゃないと売れた値段の評価を素人が判断できません(長期保有の場合の貨幣高倍率というかインフレ・デフレ率なんて通常計算しません)。つまりこういった書籍の話って「投資向け購入でキャピタルゲイン稼いだ」って話なので、何の参考にもなりゃしません。

そもそも不動産の資産価値は現金化によるものでは無く”実価値”で考えるべきものです。
(この土地に暮らしたいと最も思っている最適需要者が所有者なんですから。)
さいしょっから現金化時有利な資産ではありません。
参考になるのが銀行担保価値になりますが、銀行の評価には別途様々なパラメーターが関係するので実価値からかなり離れるものになります。
単純な話、手持ちの中古マンションなどを売却したら幾らかって判断時に早期現金化を前提にしちゃうと、大手業者の「買い取り保障額」みたいな数字にしかなりません。
それは「相場評価の7掛け6掛けの数字」です。

実際にですね、REINSの過去DATA見ていると売主の希望価格2千万ぐらいの中古マンションが(よっぽど早期に現金化したかったのでしょうか)1600ぐらいに値下げ後、業者の指値1300万ぐらいで成約し(売買の場合指値やローン条項などで売却額が変動するとか珍しくありません)、投資向けで購入したこの業者が(推定ですが)600万ぐらいで改装して4000万で売り出すなんて実例をDATAを追いかけるなか偶然発見することもあります(これも内心3600になり後に指値3000でもいいと思っているのかもですが)。
■不動産って現金化には強くなく(なんらかの事情で資金が必要な場合は担保にして銀行融資で考えるべき)、『相続』を前提とするものなんです。
仮に所有世帯に相続人がいたとしても、サラリーマン世帯の場合「次の世代もこの立地が通勤有利」なんてどこにも保障ありません。『相続』を前提とする=家業があるとか大農家であるとか家制度が生活にリンクしている世帯じゃないとその利便性も未知数になります。→たいだいのケースが「改装して賃貸に出す」のが有力な選択肢になるでしょう。
(※この時にも相続税に困れば、早期売却しか手が無いケースもあり得ます。だとしたら最初から6掛け7掛けしか価値が無い事になってしまいます。)

■私が現代社会の棲み分け的発想として
「地方などローカル『共同幻想」健在なところは(これも相続人もきっとこの地域に住み続けるだろうみたいな物語がある場合)不動産の購入は合理的」
「都市生活のサラリーマン世帯は、無理に不動産購入では無く資産運用は現金化の容易な金融商品等の方がクレバーなのかもしれない」
 ↑
ここに繋がるんんです。地方なら『相続』やそれに類する可能性が高い。そして地方で一般的な「土地付き木造戸建て」であれば築年数的に相続時の税務評価が下がるので、高額な相続税の心配も少ない(土地付き戸建ての場合上物壊して更地にするもの容易→一点ものでは無く汎用性の高い更地は流通性が高いし市場原理も働きやすい)。
都市生活=核家族なんですし、この傾向は世帯構成的に東京は更に高いと思います。
(※勿論この場合、長期契約可能性や高齢になっても借り易い賃貸住宅の法的整備も必要ですけど。)


posted by iwahara at 15:10 | 売買や賃貸の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月29日

分譲マンション基礎工事「報道されている傾くマンションの問題」など

まずとっかかりとなる報道を並べてみます、
データ改竄の現場管理者は「ルーズな人」「キャリア15年ほど」 旭化成建材役員が印象語る
http://www.sankei.com/affairs/news/151023/afr1510230001-n1.html
マンション傾斜、国交省厳しく対処 旭化成側に3040件連絡指示
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ23HQY_T21C15A0EA1000/
くい深度最大1・3メートル不足 三井住友建設、住民に説明
http://www.sankei.com/affairs/news/151025/afr1510250004-n1.html
北海道発注工事でデータ流用=改ざん社員と別か−旭化成建材
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2015102800980
旭化成建材 横浜市の公共施設でもデータ流用
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151029/k10010286741000.html
マンション施工不良 元現場責任者、不正なくい打ち「日常的」
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00306740.html


全体像的な話は「住まいの心理学」にちょこっと書きましたので、興味ある方はそちらも読んでみてください(そもそも大規模マンション建設の立地なのだろうかという話です)。
さて、問題の事件ですが、
誰に主体的責任がみたいな話の結論が出るのは相当先になるのではなかろうかと思います。
最近の報道もすっかり「買取や賠償の話」に移ってきてますね。
●大規模マンションの話と言えば、随分昔になりますが某建築家さんとの話に「そう言えば湾岸のどこやらに昭和の有名なのあるけれど、あそこは液状化で地盤が悪いから巨大な基礎がさ船みたいな仕組みで緩い地盤の上を併行移動しているって話があるよ」なんてのがありました。
この基礎の話って、今回の『支持杭』では無くて『摩擦杭』の話かな?とも思いますが、確かに代々木の名棟のひとつも(コンクリートでガチガチの岩石塊みたいな奴で地下駐車場が要塞状態)頑強な棟の周囲で表面だけ舗装された部分が波打つようによれているんですよね。
上記建築が工法的にどちらなのか詳細はわかりませんが、今回の事件が投げかけているものは「大規模RCマンションともなれば建築が建築だけに購入者には(消費者として)建築の知識も必要になる」という事だと思います(同じローンで購入される商品の代表例である自家用車購入でもエンジンの形式など一定の知識を必要としています)。
事実、分譲マンションに詳しい人は「床の遮音建築仕様」などにも明るい人少なくありませんが、とてもとても流石に今回のような杭の工法までの知識を求めるのは無理があります。
更に報道されているようにやっかいなのは立て替え含めての自主管理決議の問題です。

retourは分譲マンション懐疑派であり、先日紹介したビンテージの『サンシティ』のような中古マンションはリスク部分が経年によるプルーフされているだけで無く、往年のゼネコンによる当時渾身の建築時代であることから例外と考えています。
http://retour.seesaa.net/article/418909292.html
中古マンションであればことほど左様に管理組合の運営や建築時の時代考証なども外から評価できますが、新築分譲マンションの場合どれほど建築の知識があっても管理組合の運営はこれからヨーイドンですし、施工会社の状況も現在進行系ですから全くの未知数になります。
(法制の再検討が必要なのではないかの点は住まいの心理学記事に記載のとおりです)
あまりにもリスクが大きい。
『サンシティ』の現地内覧会前には「まず賃貸契約から購入希望となった場合」も検討していたぐらいです。ハイリスクな分譲マンションの購入において一生の間で最大の融資を受けて一発購入という流れは、、あまりにも無理筋です。
(というか建築業界全体にある”新築志向”それ自体に論議が必要でしょう。)
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posted by iwahara at 18:02 | 売買や賃貸の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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